内容説明
ライバル組織への復讐を果たし、日本人の想像を絶する方法で、警視庁からのパパリト奪還を急ぐリキ。そのさなか、迷子になった娘カーサーを保護した元刑事・若槻妙子と彼は出会った……。憎しみと悲しみ、そして諦めという人生の檻を破り、安らぎと光を追い求めた男と女。血と喧噪の旅路の果て、彼らに訪れた結末とは――。〈解説〉佐藤 究
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
わらわら
8
「ゆりかごで眠れ」というタイトルから考える。ゆりかごで眠るって気持ちいい、ゆりかごで眠るって自然のままに眠れってことかなぁ。人はそれぞれのゆりかごをもっているのだろう。垣根氏は2002年のコロンビアを取材していると書かれている。この本を読み始めた時「ワイルド・ソウル」を思い出す。解説に両方読んで欲しいと書かれていた。冷酷無残なマフィアの組織には足を踏み入れたくはない。今のコロンビアは変化しているのだろうが…歌舞伎町の闇の部分に足を踏み入れるのも怖いと感じる。ゆりかごはやすらかで楽しい方がいいと思う。2024/02/05
オールド・ボリシェビク
3
破滅と破壊の物語は下巻に入って、その強度を増し、疾走する。多少の無理も感じられる展開といえないこともないが、このころの物語としては、圧倒的な面白さを秘めていたと思う。垣根涼介、結局は歴史小説で直木賞を受賞したわけだが、こちらのようなノワールというか、突っ走る物語の方が向いていると思うけどなあ。加齢によって、そういう物語も書けなくなってきたのかなあ。とにかく、一気読みでした。2024/02/08