内容説明
【読んだらきっと涙する!感動の実話!】
あなたは「未利用魚」を知っていますか?
これは、漁師さんたちがとった魚のうち、市場に出回らずに捨てられてしまう魚のことです。
FAO(国際連合食糧農業機関)が2020年に出した報告書によると、世界でおよそ3割もの魚が捨てられているといわれています。
捨てられる理由はさまざまですが、なかには人がおいしく食べられるのに、「見た目が悪い」「知名度が低い」「調理方法がわからない」などの理由から市場で売買するのが難しく、廃棄されてしまうケースも少なくありません。
せっかくとっても値がつかない魚は、漁師さんにとって経済的負担になるだけではなく、海の資源をムダにしているのと同じです。
本書はそうした未利用魚をつかって「桜島灰干し弁当」という人気の駅弁を生み出した料理人・梛木春幸さんの軌跡をつづった一冊です。
東京や大阪で料理人としてのキャリアを着実に築いていた梛木さんは、なぜ地元・鹿児島に戻り、未利用魚をつかった商品開発に取り組むことになったのか。
返す当てのない莫大な借金を抱え、せっかく作った料理を人々に投げ捨てられる苦難を経ながら、発売直後に大人気になり、新たな鹿児島の名物料理にまで仕上げた梛木さんの原動力とはなんだったのか……。
未利用魚の問題についてはもちろん、「働くことの意味」「日本料理の知られざる精神」なども学べるノンフィクションです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
こばゆみ
9
全部で100ページもなく、児童書なので文字も大きくすぐ読めるのに、内容盛りだくさんでとても良かった。タイトル通り未利用魚を活用して灰干し弁当をヒットさせた梛木さんのドキュメンタリー。最後は和食文化の話で終わるのだけれど、大人の私でも知らなかったことがたくさんあるし、子どもたちに「和食について調べてね」と呼びかけて終わるのも良かった。2024/03/03
よし
1
料理を通して、人や、文化、環境などと関わりを持ち、自分の「好き」を社会の役に立てている。こんなふうに仕事ができたら素敵だと思いました。2024/03/05