内容説明
中国の漢の時代、長安の知事と警察長官を兼ねる「京兆尹」という役職があった。謀反を未然に防いだ功によって抜擢された「不疑」は、厳格でありつつも慈悲を忘れず、辣腕と名高い。ある日、天子にしか許されない黄色の隊列を率いた謎の男が宮廷を訪れた。男が反乱によって殺されたはずの皇太子を名乗ったことで、宮廷は混乱の渦に巻き込まれる。書籍化初の中編「不疑」をはじめ、葉室麟が遺した渾身の作品、全6編を収録。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
128
葉室さんの訃報に驚いてから7年・・66歳の死は早すぎるよね。短編7話。アンソロジーで既読の作品も有ったが、好いものはいつ読んでも何度読んでも好い。表題作は中国もの。漢字に手こずるが、なかなかにスリリングで面白かった。2024/05/11
KAZOO
99
葉室さんによる未発表作を含む最新短編集です。表題作は中国の漢の時代の主人公による物語です。このような作品を書けたのにと思うと、まだまだいい作品を書けたのにという気が残ります。あるいは宮城谷さんのように中国の歴史関連の作品を書けたのかもしれません。この表題作もそうですが「鬼火」「女人入眼」が印象深い感じでした。前作は新選組の芹沢鴨と沖田総司の物語で芹沢のイメージが変わりました。後作も北条政子の今までのイメージとは若干異なる感じでした。2024/11/10
タイ子
81
6作の短編集。新選組の美剣士・沖田総司と芹沢鴨との邂逅。総司の幼少期にトラウマになるような出来事があったのは初めて知った。やがて、芹沢が暗殺された裏にいた人物とは。赤穂浪士の吉良邸討ち入りまでの物語。様々な角度で描かれる討ち入りの話を葉室さんならではの面白さで読ませてくれる。タイトルの「不疑」は中国・漢の時代。不疑の勤める日本でいうところの江戸町奉行に死んだはずの前帝の太子が現れる。本物か偽物か、不疑が暴く真相をミステリタッチで描く。葉室さんが亡くなっても作品は残る、それを読める読者は幸せだと感じる。2024/05/25
キムチ
57
図書館の棚で発見❣氏の未読本!薄い割にかなりの骨太さ。光を当てた時代・人物は様々~沖田総司、大石内蔵助、黒田長政、織田信長、北条政子そして中国前漢の辣腕官僚。展開はやや、玄人好みと言えなくもないが。。女人入眼は先日読んだ永井氏の作と同名。今一つ、その意図するものの手触りがなかったが今回、「政子の想いは、頼家の遺児 鞠子に繋がれ 四代目頼家の正室(かなり年上)に。夭折したがその子にも北条氏の娘が嫁ぎ・・」で納得できた。まぁ、史実的には風前の灯火的なものに終わったけど。葉室氏逝去八年となるが、未発刊が読めそう2024/09/12
Gotoran
37
早逝が惜しまれた葉室麟が残した渾身の[幕末から古代中国までの]短編、中編小説、6編。新撰組の沖田総司の「鬼火」。忠臣蔵の大石内蔵助の「鬼の影」。黒田如水の子・黒田長政の「ダミアン長政」。織田信長の「魔王の星」。北条政子の「女人入眼」。中国古代史・前漢時代の役人の不疑の『不疑』。夫々の登場人物について描かれている。バラエティに富んでいて、面白く読むことができた。2026/01/16
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