ローカルボクサーと貧困世界〔増補新装版〕――マニラのボクシングジムにみる身体文化

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ローカルボクサーと貧困世界〔増補新装版〕――マニラのボクシングジムにみる身体文化

  • 著者名:石岡丈昇【著】
  • 価格 ¥3,960(本体¥3,600)
  • 世界思想社(2024/01発売)
  • ポイント 36pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784790717898

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内容説明

国際ボクシングマーケットに組み込まれていくボクサー達の、身体に刻まれた生き方を、ジムでの住み込み調査によって克明に描き出す。岸政彦氏による解説、調査対象となったボクサーたちのその後の人生を描く「後章」を加えた、待望の増補新装版。

目次

序 章 ローカルボクサー世界から
1 ローカルボクサーの社会学
2 貧困世界とのつながり
3 住み込み調査と身体文化への着目
第1章 ローカルボクサーの身体文化への方法的接近
1 ローカルボクサーへの接近
2 第三世界スポーツ論の問題構制
3 「スポーツ社会学のための計画表」と二重のフレーミング論
4 マニラ首都圏のローカルボクサーへ
第2章 ボクシングジムの空間構成
1 Eジムのボクサーと非ボクサー
2 Eジムのコンテクスト
3 ボクサーの属性
4 〈全体的空間〉としてのジム
第3章 ボクサーになる――集団競技としてのボクシング
1 ジムの日常の深みへ
2 ボクサーになる
3 ジムワークにみる実践理性
4 サクリフィショという倫理
5 女性の排除形式
6 集団競技としてのボクシング
第4章 ボクシングマーケットの構造――敗者の生産の仕組み
1 ボクシング試合と敗者の生産
2 試合をめぐるボクサーの性向
3 ボクシングマーケットの政治経済
4 国際試合の交渉過程と「敗者の生産」
5 ボクシングキャリアの分類化
6 社会的選別と身体のトレード
第5章 互酬性の中のボクサー身体――引退ボクサーの日常
1 引退ボクサーの日常へ
2 スクオッターを生きる
3 スクオッター生活の窮状
4 引退ボクサーの暮らし
5 互酬性の中のボクサー身体
終 章 裸一貫のリアリティへ
1 ローカルボクサーの生活実践
2 裸一貫のリアリティを見据えた身体文化研究へ
後 章 その後のボクサーたち
1 ラフィ――単身での子育て、そして料理人へ
2 ステラ――フィットネスジムの運営を軌道に乗せた敏腕経営者
3 ロセリト――フィットネストレーナー、妻子の移住、女子ボクシング
4 ロイ――総合格闘技、中国への移住
5 ジェイソン――日本への移住
注/あとがき/増補新装版あとがき/図表一覧/文献/索引
解 説 時間/身体/人生 (岸 政彦)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

田中峰和

5
学術論文の書籍化なので、一般読者には縁遠い。本人がフィリピンのボクシングジムに長期取材するところは、ユニクロへの潜入レポートのようだが、経営陣批判ではなく明るい。パッキャオのような成功者になるには大谷選手のようなナチュラルな才能が必要だが、大半は貧しいまま若年期を無駄にする。社会学者ということもあり、ブルデューやハイデガーなどの引用もあって、よりエンタメ読み物から遠のく。小学生の息子にもジムに通わせるほどのボクシングファンなので、青白いインテリではなく、貧しいボクサーに価値観を合わせていて共感できる。2024/04/25

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