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内容説明
「将来軍事大国間で戦争が起こるなら、最初の一撃は宇宙空間かサイバー空間で起こる」といわれている。例えば米国の衛星システムが攻撃されてGPSが停止すれば、インターネットや携帯電話などの通信ネットワークは正常に作動しなくなり、証券取引所のシステムや電力発電網も制御できなくなるなど、その影響は甚大である。その一方、人道的立場から「犠牲者のいない戦争」をめざすべきだという潮流があり、将来戦闘の概念は根本的に変わると考えられている。敵を探し回る自動徘徊型の無人戦闘車両、空母に襲いかかる数万もの小型ドローンの群れ、リアルタイムの情報を元に発射される空対地ミサイル……。荒唐無稽にも思えるが、このような人工知能(AI)を備える自律型無人システムやロボットが主役となるような未来の戦場では、人間は主役とはならないかもしれない。本書では元自衛隊空将が、戦争の今と未来を解説し、中国、ロシア、米国、EU、日本の宇宙戦略を読み解く。さらに、軍隊が行うべき環境問題対策を論じ、SFの手法を用いた未来可視化「SFプロトタイピング」も試みる。 ●宇宙をめぐる大国間の競争 ●未来の戦場――人間のいない戦争 ●対宇宙(カウンター・スペース)攻撃の可能性 ●米国の国防宇宙戦略――「宇宙が戦闘領域に変わった」 ●極超音速兵器への対応 ●宇宙に係る攻撃は日米安保の対象 ●「はやぶさ」などの技術に高い関心を持つNATO ●宇宙を通じた気候変動対策 ●2049を超えた未来――SFプロトタイピングの試み ●【特別対談】奥山真司×長島純――総力戦を加速させる未来の戦争
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
kk
18
図書館本。航空自衛隊きっての爽やか系イロ男が語る、新領域を巡る安全保障上の課題の数々。タイトルは宇宙を中心に据えているものの、実際のカバレッジはもう少し広くて、未来における戦争・軍隊のあり方や、関連科学技術の新しい方向性などが縦横に語られる。いろいろ勉強にはなるものの、著者の目線の高さによるものか、語り口がえてして抽象的になりがち。読み物として楽しいか、といった点では課題があるかも。ただ、巻末の奥山真司氏との対談はとても良かったです。2024/03/08
さきこ
3
宇宙なしでは生活が成り立たない世界になっており、安全保障上で重要な領域になっている、という話。防衛の専門家のため、宇宙利用についての記載は上辺な印象。「SFプロトタイピング」という考え方は新しい視点だった。イノベーションが苦手と言われる日本人としては、SFからアイデアを見出すのが良いのでは。モチベーション高く取り組めそう。2024/02/18




