方舟を燃やす

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方舟を燃やす

  • 著者名:角田光代【著】
  • 価格 ¥1,980(本体¥1,800)
  • 新潮社(2024/02発売)
  • 夏休みの締めくくり!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~8/24)
  • ポイント 540pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784104346080

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内容説明

口さけ女はいなかった。恐怖の大王は来なかった。噂はぜんぶデマだった。一方で大災害が町を破壊し、疫病が流行し、今も戦争が起き続けている。何でもいいから何かを信じないと、今日をやり過ごすことが出来ないよ――。飛馬と不三子、縁もゆかりもなかった二人の昭和平成コロナ禍を描き、「信じる」ことの意味を問いかける傑作長篇。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ミカママ

598
書店に並んでいれば内容を確認せずとも購入する、数少ない作家さんのひとり。昭和から令和、年齢も生い立ちも性別すら異なるふたりの人生を通じて「なにを信じるか」を問う、そんな角田さんの最新作。こちらも襟を正して(寝っ転がって)読ませていただいた。世相を盛り込んだ内容なので少々中弛みもしたが、描き切った感あると思う。めでたしめでたし、でないところがやけにリアル。ただタイトルの真意と、後半やたら話題に出る猫泥棒のメタファーが不気味で、その辺はモヤったままだ。代表作のひとつになることは確定だろう。2024/09/28

starbro

406
角田 光代は、新作をコンスタントに読んでいる作家です。 昭和~平成~令和、市井の人々の大河小説、人間ドラマ、著者の筆力で読ませますが、期待値が高い作家だけに、少し残念な作品でした。 https://www.shinchosha.co.jp/book/434608/2024/03/22

青乃108号

391
1967年から2022年までの間、1人の男性と1人の女性の生き様を平行して描き、やがて2人が子供食堂の活動で邂逅するという物語。俺も子供の頃口裂け女は怖かった。ノストラダムスの大予言の1999年人類滅亡説も信じていたし、その年には自分が何歳になっているのか計算もした。サリン事件は連日報道見たし、2000年問題は結局何事もなかった。コロナ禍では同調圧力に屈せず、かと言って陰謀論を信じた訳でもなく只、自分で判断しワクチンは1度も打たなかった。コロナ禍終息。結局この本は何だったのか良く解らずモヤモヤしている。 2024/10/12

R

296
史実というには近い過去から今にかけての物語。いわゆるオカルト趣味が流行して、世紀末思想だとか、新興宗教とか、確かにそんな時代だった頃を生きていた人たちの姿、考え、想いみたいなものが描かれて、時代そのままなのである意味ドラマチックだけど、登場人物たちは普通にその中で生きていた、あるいは生きているだけというのは、本当にそうだなと思うことばかりで驚いた。勝手な思い込みによる感情の揺れみたいなものも生々しく、同時代を生きた自分が、本当にこんなんだったような気すらしてしまう。2024/08/22

hiace9000

260
読み手の「信じる」を内側から揺さぶり、そして問う、圧巻の傑作角田文学。作者と同世代を生きた人にとっては数々の史実・事実には共感しきり。過去から現代まで、そしてVUCAな未来に向けて、人はずっと壮大なデマに騙され踊らされながら生きてきたのだろうか。むしろ何かを信じようと決め、それを真実として自らの信念に掲げ生きるからこそ、人なのだろうか。青年と母親、主人公二人が抱えた信じることへの葛藤の渦に自身も巻き込まれながら、誰かを助けることの迷いと苦しみ、その難しさを思う。自分で考え、問うことを放棄してはならない。2024/09/13

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