内容説明
現代イギリス演劇を代表する劇作家の一人、キャリル・チャーチルの演劇の多様な側面を提示し、彼女の作品世界が一貫した主題や態度を示し続けているとともに、豊かな多様性を持っている点を明らかにする。時系列に沿ってチャーチルの創作活動を追いながら、各章でその時期の代表作や特に注目に値する作品を考察し、劇作家としてのチャーチルの全体像を示す。
シリーズ〈英語〉文学の現在(いま)へ
第二次世界大戦前後から現代まで、激動の時代に翻弄される世界各地で〈英語〉という表現媒体を共有しつつ、なおそれを問い直してきた作家たちが、文学の「現在(いま)」をどのように切り開いてきたのか――「イギリス」や「英語圏」といった従来の領域的思考を超える〈英語〉文学をあらたに考えるためのシリーズです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
T. Tokunaga
2
英米演劇で、名前はよく聞くが、その割に不可解な位置づけをされている劇作家、キャリル・チャーチル(どうやら微妙に「アートスクール」や「芸術学修士」の流れとズレているのだが、作品が読めていないので不明)の充実した文献である。戯曲的な技巧を凝らし、初期のラジオドラマでの音より葛藤を重視する伝統的な作家性を、ワークショップや、フェミニズムの色濃い集団制作、またサッチャー時代、ルーマニア革命やガザという時代性をもちつつ発展させてゆく態度は、前衛から一歩引いた、スイスのデュレンマットや日本の別役実と繋がる。2025/11/09
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