内容説明
心に鬼を棲まわせた“独眼竜”にして奥州の覇者、伊達政宗。数多の武将から恐れられ、後世にもその名を残した男の周囲には、たくましく、そしてたおやかな女性たちがいた――。我が子に毒を盛ったとされる母・義姫、影ながら政宗を支え続けた妻・愛姫、片倉小十郎の姉で政宗を育てた喜多、松平忠輝に嫁いだ娘・五郎八姫、真田信繁(幸村)の娘・阿梅……戦国の世を凜と生き抜く伊達の女たちを主人公にした連作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
植田 和昭
12
新日曜名作座で朗読されているので購入。どの話もおもしろかった。独眼竜政宗では、弟を殺したことになっていたが、ここでは、生きて人生を全うしている。実母による政宗毒殺未遂事件も実際には、なかったかのように書かれている。どれが真実なのだろう。いろは姫の話も面白いが、真田家の跡取りの話も興味深かった。山岡荘八の独眼竜政宗1は読んだが、他の巻も読んでみたくなった。5の話だけ前後半に分けてやるようだ。次の話は、山本周五郎のユーモア小説集だ。買ったので読んでいくぞ。2025/12/24
JADE
10
図書館でふと手にした本。伊達男の女性バージョンではなく、伊達政宗(伊達家)を支えた女たちの短編集。母・義姫、妻・愛姫、保姆・片倉喜多、娘・五郎八姫、真田家・阿梅の5人、5話。戦国時代から豊臣、徳川の世へ、激動の時代を戦い抜いた政宗もすごかったけど、その陰には、凛として生きた肝のすわった女たちがいた。愛姫の「濡れ衣」、喜多の「釣鐘花」がお気に入り。本題から外れるけど、阿梅の「鬼封じの光」で、大阪の陣での真田信繫の活躍が描かれていて、大河ドラマ「真田丸」を懐かしく思い出した。☆3.52024/12/29
きゃる
5
大河ドラマ「独眼竜政宗」は良かったなあ、しみじみ。その政宗をとりまく五人の女、義姫(母)、愛姫(妻)、片倉喜多(養育係)、五郎八姫(娘)、阿梅。最後の阿梅は真田信繁の娘で片倉重綱の側室で政宗とほんの少し話しただけであるが…、好きなのは喜多の章に出てくる藤姫!これぞ女として産まれた女の戦い方だな、とニンマリした。雌蜂、結構!男が本能で種を蒔くというなら、女は本能でより強い雄を求める。喜多の章なのに食われちゃったね。義姫もドラマの方が魅力的。まあ戦はこうして本で楽しむのが平和だ 2024/08/07
おい
2
短編がうまくつなげられ、最後にきれいに結びつけられている。話は全体的に淡白ではあるが、筆者の作風ともいえる。 ★★★2025/04/24
みやしん
2
史実的には死んだ人物を何とかして生かそうとするのはちょっと無理筋な気もするが、まあそこはフィクションだと割り切って。政宗が有名過ぎるあまり、名は知れていても実はさほどスポットの当たっていなかった女性達の逞しさに注目した着眼点は鋭い。貧弱な発想で恐縮だが、本作が大河ドラマのベースに抜擢されたなら「片倉小十郎・秀吉に最も恐れられた男」とか使い古された宣伝文句になりそう。2024/10/30
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