内容説明
「存在しない墓が見えたら終わり」
介護施設の記憶ゲームで起きた不気味な事件。
連鎖する死のルールは…
(「ハカが見える」より)
幾度も書くのを”邪魔された”曰くつきの禁忌譚!
本来触れるべきではない領域にある話、本能が忌避するような怪異ばかりを集めた怪談集。
・介護施設で行われた複数の絵を記憶するゲーム。ある人が存在しない墓の絵があったと言い出して…「ハカが見える」
・1枚の人身事故画像にとり憑かれた男。事故について調べるうち恐ろしい事態が…「7センチの隙間」
・家に母親が二人いるという女性。一人は生みの親、もう一人は生きていない存在だというが…「母親」
・水死体のあがった日は海で殺生をするな。船頭の忠告を無視した釣り人の末路…「戻り恵比寿」
・ある二階建て家屋の調査に赴いた不動産会社の社員。家の中に入るも階段が見当たらず、同行の女性に異変が…「土地家屋調査」
他、禁忌の扉がいま開く!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
高宮朱雀
15
年明け1冊目。 全25話収録されているが、24話までは単独で読んでも、続けて読んでも凝縮された怖さを感じ、また、相変わらず理不尽な思いをさせられている人が多いのだなぁと納得出来ない思いと同時に、そうしたモノに情を向けてはいけない(、優しさを見せると助けてくれると付いて来るらしい。)というある種の常識とが頭を過ぎった。 最後に収録された「止まった時間」は締めに相応しい優しい話で救われた心地がする。死してまで、親不孝する子、親孝行な子がいる事に驚かされる。2024/01/03
eyemu
11
怪談本としては本当に珍しいんだけど、最後がちょっとウルッとした。 怖いウルッとじゃなくて、感動のウルッね。 全部の話がそうだと何となく冷めてしまうけど。 最後の一話だけとか、何冊かに一話とかだと強烈に印象に残るかも知れない。2024/03/12
tow
9
確かに面白いし、怖いんだけど、ほら、どうだ、怖いだろ的な「俺」がかなりジャマ。どの話も最後の一行なくてよかったのに。と感じた一冊。2024/05/05
しま
6
あまりにも理不尽な話が続いて鬱々とした気分になっていましたが、一番最後の話に少し救われました。それにしても、自業自得な話は平気なのですが(肝試しに行ったりやっちゃダメって言われたことをやったりする系)理不尽だったり意味不明な話はほんとしんどいし怖いです2024/01/31
カムラ
5
ヒィィィ。作業用BGMでよく怖い話とか聞いてて怖い話に慣れ、怖いと思うこともほぼなかったから、「不思議な非日常」に対する好奇心で軽い気持ちで読んでみたらしんしんと怖かった。なんというか「ひょっとして自分に起こったらどうしよう」みたいな感覚と、負の物事って触れるだけで何かしらの目に見えないもの(運?とか気?)を減衰させるんじゃないか、言霊ってきっとあるんじゃないか、みたいな危機感がじわじわ来る。持ってるのもなんとなく違和感あるから手放すかも。2024/12/28