内容説明
戦力配備が進む南西諸島の実態に迫った8年の記録
「圧殺されたのは沖縄の声だけではない。
いつか助けを求める、あなたの声だ」
◆内容◆
アメリカと日本政府が主導する、近隣諸国を仮想敵とした防衛計画のもと、戦力配備が続く沖縄、南西諸島は予断を許さない状況が続いている。基地の地下化、シェルター設置、弾薬庫大増設、離島を含む空港と港湾の軍事化が、民意をよそに急ピッチで進んでいるのだ。著者は2015年以来、沖縄島のみならず与那国島、宮古島、石垣島、奄美大島など島々を歩き、実態を取材してきた。
2022年末の安保三文書では「南西諸島にミサイルを並べ、最悪の場合報復攻撃の戦場になるもやむなし」という現地の犠牲を覚悟したものであることも暴露された。本土メディアがこの問題をほとんど報じない中、沖縄から日本全土に広がる戦雲の予兆に警鐘を鳴らす。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
二人娘の父
10
記録によると、著者の書籍はこれで4冊目の読了。映像作品も先日観た「戦雲」含めて同じだけ観ているように思う。そして毎回同じ感想となる。動揺し、たじろぐ。恐れを抱く。正視できない自分の弱さに、心から情けなくなる。20年以上もの間、辺野古をはじめとする「たたかい」の場所を取材し続ける著者の行動と発信の重みに耐えられるのか。あらためてそんな弱気が私の中に生まれる。感情的な言葉を並べてしまったが、内容はきわめて客観的な沖縄の現状を知ることのできるものである。必読。2024/04/09
ののまる
9
要塞化される沖縄。辺野古ばかりが報道されるけど、沖縄の島々はこんなことになっていたのか… 宮古島、石垣島など観光地のイメージが強いが、弾薬庫やミサイルが配置され、最新式戦車が走る。二度と戦場にさせないために。2024/02/28
どら猫さとっち
8
「戦場ぬ止み」、「証言沖縄スパイ戦史」など、沖縄を見ているジャーナリストが、要塞化し戦力配備が進んでいく沖縄の記録がこの一冊に。さらに本書と同名のドキュメンタリー映画も公開された。辺野古海上工事再開から、翁長雄志知事の逝去、玉城デニー氏の知事就任…。希望がある一方で、恐れや怒り、悲しみも多い。沖縄は他人事ではない。本書を読めば、日本のこととして、私たちが考えなければならないと思うだろう。2024/04/12
宮崎太郎(たろう屋)
6
2017年から2023年までのルポ。沖縄県の本島から先島諸島、鹿児島県の奄美大島などに配備される軍事施設、自衛隊員、米軍を中心とした大規模な想定訓練などに翻弄される島民の目線から現状を追っています。国は大胆にメディアを使い、軍備増強を迫ってくる反面、自衛隊は国と基地を守るために存在する、島民のためではないこと、島民避難もいわゆる災害時の想定しかされていないことを問います。自分事にできない日本人が多い中、何度でもこの事実に声を上げる著者。私たちがどこに連れていかれようとしているのか、もっと考えたい。2024/11/11
くろばーちゃん
3
著者、三上智恵監督による同名のドキュメンタリー映画の撮影日記。読了して映画鑑賞に臨むつもりだったが、各章ごとにQRコードが付いていて、関連画像が観られるようになっているため、観ながら読み進めたら読了が遅くなってしまったが、上映後の監督によるトークショー後、サインをいただいた。映画とともに一人でも多くの人に読んで欲しい本。沖縄本島、石垣、宮古、八重山などの島々が、今どういう状況かを知ってほしい。今、安心できる普通のくらしが脅かされている。文子おばあ、ひろじさんなど声を上げてる人々が素晴らしい。基地はいらない2024/05/19
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