内容説明
最後に選ぶ一皿に、その人の生きた証が詰まっている――。淀川キリスト教病院ホスピス緩和ケア病棟では、週に一度、患者が希望する一皿が振る舞われる。家族みんなが大好きだった天ぷら、昔懐かしのハイカラ洋食……臨終の間際によみがえる美味しい記憶と、患者を支える家族、医師、スタッフの想いをていねいに紡いだ「リクエスト食」の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
リコリス
38
私がこの病院で出産した時感じたのは助産師さんの愛しみの心。沢山の命が生まれ忙しい日々にも関わらず温かい声掛けや退院時には手紙も頂いた。本文中の「あなたは私にとって大切な存在である」という思いはこの病院全体に行き渡っているのではないだろうか。1人1人のエピソードが生き生きとしていてこれがホスピスで暮らす患者さんの話だという事を時々忘れてしまった。心に寄り添い丁寧に作られた食事。美味しいものを前にキラキラと輝く命「生きることは食べること。食べることは生きること」生きた証を感じ涙と幸せな気持ちで胸が一杯になった2020/01/08
たまきら
30
続編かな?とワクワクして読んだ。以前よんだものの焼き直しだったけど、紙質が好みでじっくり眺めた。生まれたら、最後が来る。それはどんなものになるんだろう。そのことになぜこんなに惹かれるのだろう。毎日を過ごすことの素晴らしさにもうっとりするべきだなあ、と思った。2019/12/05
Kazuko Ohta
27
先々月がんで亡くなった母は、昔この病院でボランティアをしていました。母に本作を見せたら当時のことが懐かしそうでした。そりゃ美味しそうだけど、いったいいくら要るのかと思いながら私も読んだら、高額の入院費を払った人のためのサービスではないとのこと。素晴らしいことです。ただ、よそに移ったら食欲が失せて体調が悪化したというような話には、がんが進行しているのだからそのせいとも言えないのではと思う。食事は大切、でも食事以外の面でも患者と共に前向きな気持ちになれるようにしたい。というのは私が言うまでもないことですよね。2024/06/10
bluelotus
11
★★★★★ 余命2~3ヶ月以内、平均在院日数約3週間という末期がん患者が入院しているホスピスの毎週土曜日にやってくるリクエスト食はとにかく美味しそう(写真はオールカラー!)で、“食事の記憶には楽しい思い出が含まれている”という言葉通りに皆さんが語る思い出はキラキラと輝きに満ちていた。ここの食事はレストランや料亭のように陶器で提供されるそうで、入院もなく病院食も食べたことがない私にとってはそのことだけでもすごく嬉しいことなんだなぁと気付かされた。まさにここで働きたいし、ここで最期を迎えたい!と思った本。2019/10/15
丸々ころりん
8
最期に食べたいのはもやしの卵とじ 初めて自分一人で作った料理 気づけば自分の喜怒哀楽節目々々に作って食べていた一品2022/05/21
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