メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生

個数:1
紙書籍版価格
¥3,520
  • 電子書籍
  • Reader
  • ポイントキャンペーン

メタゾアの心身問題――動物の生活と心の誕生

  • ISBN:9784622096627

ファイル: /

内容説明

『タコの心身問題』に続く驚きの生物進化読本第2弾! 海の生物たちの生態を手掛かりに、感性の進化と意識の発生の謎を深掘りする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

∃.狂茶党

19
注釈をいちいち読んだほうがいい。 というか、カッコつけて、出典についての文章も込で本文に織り込んで欲しい。 『タコの心身問題』よりも難しいかもしれないので、『タコの心身問題』読んでない人は、読んでおいたほうがいいと思う。 本書は広く生き物の、感覚を扱う。 議論は多岐にわたり、ついていくのが大変。 心は機械で再現できないといったような結論が出てくるけど、もう少しそのへん読みたかったな。2024/04/12

Gokkey

16
心の起源をメタゾア(後生生物=多細胞生物)の進化史として紡ぐ。話は何と海綿から始まる。心を主観性(for-me-ness、こう感じられる)と行為者性(by-me-ness、何がなされるか)の相互作用とし、感覚-運動系の進化として生物学的な考察を可能にする。神経の中枢化に伴い、感覚細胞から入力に基づく「いまここ」と過去のパターンとの相互作用が可能となり(経験)、より高次の段階において、入力がなくとも経験プロファイルをあたかも意識のクラウドのように引っ張り出す能力を産み出した。この活動を総じて我々は心と呼ぶ。2024/01/21

mim42

9
カイメンから始まる主観性の起源探し。経験の進化における鍵となるポイント: 1.進化の過程で「経験」は一気に登場するのではなく時間をかけてじわじわ現れる「漸進説」、2.「いまここ」からの解放、3.リズムや同期、場のような脳の大規模動的特性とシグナル伝達の多階層性、4.主観性と行為者性、5.分離脳と統一性、6.認知と行為の役割が不確実性の低減というクラークやフリストンらFEPの主張とは異なる、7.ドゥアンヌらGWS理論とも異なる立ち位置、8.心のアップ・ダウンロードは不可能、生体基盤以外での心の実装には否定的2024/01/07

mft

8
タコから多細胞動物に対象が広がって、心と呼べそうな物がどういう生物群に見られるかを進化系統樹を参照しながら取り上げていく。動物として生きているというのと最初のうちはほぼ同義の反応から、節足動物や頭足類そして脊椎動物に見られる自己認識など。理解したつもりで最終章に入ったら機械には心は宿らないだろうというような論調になって、理解し損なっていたことが判った2024/04/17

borisbear

4
動物の様々な生き方と、それに対応する行動制御システムとしての「心」のありかたについての記述はとてもいいと思う。しかし、例えば「注意を向ける」というような具体的機能から切り離された、主観的経験としての意識?については、個人的には、そもそも研究対象になり得るのかというレベルで疑問を感じる。サールに言わせると「意識が存在しなければ重要という概念自体全く無意味になる」ということで、そう言われればそうかもしれないが、研究対象としての重要性は別の話でしょう。2024/02/18

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/21660629
  • ご注意事項