内容説明
『タコの心身問題』に続く驚きの生物進化読本第2弾! 海の生物たちの生態を手掛かりに、感性の進化と意識の発生の謎を深掘りする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
特盛
35
評価3.7/5。前作ではタコ研究を通じて、想像だにしなかった主観のあり方を論じた著者が、幅広く生き物一般に拡張して、意識とは何か?を考える。細胞は外部環境を感知、応答する。そのプロセスはあまねく動物に備わる。感知と行動が主観や経験の起源であると論じる。トマス=ネーゲルの「コウモリであるとはどのようなことか」という本があるが、カニや昆虫やカイメン、魚など様々な動物の感性が取り上げられ驚きも多い。結びとして、意識の、あるなしデジタルではなくグラデーショナルな特性が浮かびあがる。生き物への愛の眼差しが暖かい2025/10/15
∃.狂茶党
22
注釈をいちいち読んだほうがいい。 というか、カッコつけて、出典についての文章も込で本文に織り込んで欲しい。 『タコの心身問題』よりも難しいかもしれないので、『タコの心身問題』読んでない人は、読んでおいたほうがいいと思う。 本書は広く生き物の、感覚を扱う。 議論は多岐にわたり、ついていくのが大変。 心は機械で再現できないといったような結論が出てくるけど、もう少しそのへん読みたかったな。2024/04/12
Gokkey
18
心の起源をメタゾア(後生生物=多細胞生物)の進化史として紡ぐ。話は何と海綿から始まる。心を主観性(for-me-ness、こう感じられる)と行為者性(by-me-ness、何がなされるか)の相互作用とし、感覚-運動系の進化として生物学的な考察を可能にする。神経の中枢化に伴い、感覚細胞から入力に基づく「いまここ」と過去のパターンとの相互作用が可能となり(経験)、より高次の段階において、入力がなくとも経験プロファイルをあたかも意識のクラウドのように引っ張り出す能力を産み出した。この活動を総じて我々は心と呼ぶ。2024/01/21
mim42
15
カイメンから始まる主観性の起源探し。経験の進化における鍵となるポイント: 1.進化の過程で「経験」は一気に登場するのではなく時間をかけてじわじわ現れる「漸進説」、2.「いまここ」からの解放、3.リズムや同期、場のような脳の大規模動的特性とシグナル伝達の多階層性、4.主観性と行為者性、5.分離脳と統一性、6.認知と行為の役割が不確実性の低減というクラークやフリストンらFEPの主張とは異なる、7.ドゥアンヌらGWS理論とも異なる立ち位置、8.心のアップ・ダウンロードは不可能、生体基盤以外での心の実装には否定的2024/01/07
calicalikoume
10
意識、主観性の"ある"や"ない"の間にグラデーションは確かにありそう。毎朝の目覚めの感覚の中にも、進化による心の形成の過程が、既に現れているのかもしれない。2024/10/27
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