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内容説明
僕の門下生からこんな面白いものをかく人が出るかと思うと先生は顔色なし。――新刊の感想から、門下生の作品添削、雑誌への売り込みまで。漱石の書簡に現れる同時代文学評を、佐藤春夫が編年でまとめ、解説を付し、「書簡中に見る諸家作品選集」を編集する。
〈巻末付録〉エッセイ=内田百閒/漱石宛て書簡=芥川龍之介・久米正雄
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
KAZOO
91
夏目漱石が明治24年から大正5年にかけて様々な友人や弟子たちに出した書簡についてやはり文学者の佐藤春夫が解説をしています。特に新人作家などに対する漱石の考え方などについての解説が多く、その作家たちの作品もこの中に収められています。ですのでその作品とこの書簡(漱石の考え)を読むことによりまあ楽しさが膨らむということになっています。作品は寺田寅彦、高浜虚子、内田百閒、中勘助、芥川龍之介など弟子たちのものが多くあります。2024/01/28
夏草
0
「漱石が他人の作品を読む場合、漱石の採点は相当甘い」と言うから、どう甘いのかワクワクして読み始めたら、最初に取り上げられている夏目さんから正岡さん宛の手紙文が候文で、句読点も無いし、いきなりもうダメかと思った。夏目さんの書簡の言葉遣いに翻弄されたが、それだけ色んな人や作品と関わってきたのだろうな…と感じた。夏目さんの好きな作品は春の雨みたいに静かで柔らかい雰囲気が多くて、夏目さん好みの作品のしっとり感、私も好きになってきた。最後に掲載されている芥川と久米からの夏目先生宛ての書簡は若者の可愛さが詰まってた。2024/06/09