中公新書<br> 冷戦史(下) ベトナム戦争からソ連崩壊まで

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中公新書
冷戦史(下) ベトナム戦争からソ連崩壊まで

  • 著者名:青野利彦【著】
  • 価格 ¥968(本体¥880)
  • 中央公論新社(2023/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121027825

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内容説明

1945年頃から1990年頃にかけて、アメリカ中心の西側陣営とソ連中心の東側陣営が対立した「冷戦」。その影響は21世紀の今日にも色濃く残っている。本書は米ソ超大国やヨーロッパの対立のみならず日本を含む東アジアの展開にも力点を置いた通史である。下巻では、泥沼化するベトナム戦争、デタント(緊張緩和)の進展と「新冷戦」への転換、そしてゴルバチョフの登場を経て冷戦が終わるまでを描き、この時代の意味を問い直す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

パトラッシュ

105
(承前)冷戦とは空虚なものだった。イデオロギーに人類の生命と知性と資金を浪費した挙句、ソ連崩壊という壮大な政治的失敗と世界に苦痛をまき散らして終わったが、同時に超大国が生存のため戦争の恐怖に怯えながら共存を模索する外交の時代でもあった。しかしイデオロギーというくびきがなくなると、押さえつけられていた各国の欲望が爆発し混沌たるカオスが地球を覆った。ソ連後継国のロシアは戦争に突入し、アメリカや中国も自国第一主義に傾斜し外交を忘れてしまった。将来、冷戦期は「大量の犠牲をかけて得られた大まかな平和」と評されるか。2024/04/07

skunk_c

73
下巻はベトナム戦争からソ連崩壊まで。多くの研究者の業績を参照しながら、「新冷戦」からゴルバチョフ時代の変化を丹念に追っている。特にレーガンに対する評価が面白かった。SDIが完成の暁にはそれをソ連に売り込むつもりだったとか。著者は1973年生まれで冷戦の終末期にティーンエイジャー。その変動を多感な時期に見ていたことが自称「歴史嫌い」を現代史研究に引きずり込んだんだそうだ。しっかりとしたマクロな視点をもちながら、新書という制約の中でミクロな出来事にも目配せする本書は、あの時代を俯瞰するための良質なテキストだ。2023/12/30

さとうしん

12
冷戦史後半。ソ連型共産主義の破綻が目に見えた時に権威主義を温存したまま市場経済を導入した中国のあり方が第三世界の諸国の国家発展モデルとなったことや、多国間の枠組みを形成していったヨーロッパに対して東アジアの国際関係の改善が二国間関係の締結に終始したことが、現在まで続く東アジア地域の分断の継続に影響しているといった指摘が興味深い。米ソ中に加えて分断解消に対する日本の努力不足も問われている。2024/03/16

Gamemaker_K

11
お金と核ですね、という読後感。冷戦後はそれに天然資源がのっかってきて、今はテクノロジーがいろんなバランスを押しつぶしているような気がする。最後に残るのはなんなんだろう。とにかく、穏やかな世界になってくれ。・・・この本に登場する「研究者」の中に、高校の先輩がいて驚いた。応援歌練習の時に横暴な3年生から守ってくれた、当時新入生の俺からしたら勇者のような人だったが、この本の執筆でも筆者に取り立てて感謝されていた。勇者はいつまでも勇者なんだなあ。俺もそうなりたい。2024/04/03

Hiroshi

7
下巻はキューバ危機後の核抑止(MAD)の確立から冷戦終結の90年代迄。キューバ危機は核戦争へ繋がる危機であったが、ケネディ、フルシチョフにより回避された。次の核戦争の危機にも回避できるように考えられたのがMADだ。先制攻撃に対し報復攻撃で耐え難い損害を与えることで先制攻撃を躊躇させるのだ。東側は科学技術や経済発展で西側に大きく差をつけられていた。ソ連は核戦力でも質・量共に大きくアメリカに遅れがあり、軍事的に対等な立場にたって交渉に臨もうとしていた。アメリカが呼びかける軍備管理交渉にソ連は後ろ向きであった。2024/03/13

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