内容説明
電子版は本文中の写真を多数カラー写真に差し替えて掲載。
平安遷都(794年)に始まる200年は激変の時代だった。律令国家は大きな政府から小さな政府へと変わり、豊かになった。その富はどこへ行ったのか? 奈良時代宮廷を支えた女官たちはどこへ行ったのか? 新しく生まれた摂関家とはなにか? 桓武天皇・在原業平・菅原道真・藤原基経らの超個性的メンバー、斎宮女御・中宮定子・紫式部ら綺羅星の女性たちが織り成すドラマとは? 「この国のかたち」を決めた平安前期のすべてが明かされる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
164
平安時代前期の従来イメージを次々と覆される。桓武天皇は自己正当化のため平安京を建設し、低位貴族は官吏登用試験に合格すれば文人として出世でき、宮廷内で女性官人が政治面でも活躍していたのだから。しかし藤原氏支配が確立すると実力主義のはずの学問で代々学者の家が成立し、公家の娘が「お姫様」化して女性の地位が低下し、奈良時代の政治的主役だった内親王は結婚もできなくなったのだから。こうした社会的硬直化が和歌や物語など宮廷文学を生み、実務に携わる軍事貴族が武士になっていく。後の歴史を動かす原点を明確に指し示してくれる。2024/02/13
六点
114
最近急に訪れた平安時代ブームにより手に取った一冊。「はじめに」からいきなり知らなかった奈良時代から平安時代に掛けて変化していく律令制の姿がわかりやすく示されて、長い謎に満ちた時代へと、読者を引きずり込む。すっかり平安時代の女性名は音読みである事に慣れ切っていたので"「あきらけいこ」とかのふりがなに面食らった。名前の読み方がわからなくなる位、女性の地位が降下して行ったことの証拠でもあるのだ。長く平和で退屈な時代など世界に存在しないのであるなと、歴史を学ぶ事の面白さに再度目覚めた事であることだよ。2024/05/18
tamami
85
そう言えば400年続いた平安時代ではあったが、例の七九四(鳴くよ)うぐいす平安京、八九四(白紙)に戻した遣唐使、あとは道長周辺の事蹟くらいしか知らないと思い手に取る。面白かった。藤原氏が己が一族に権力を集中させていく時代ということで、同性の人物が大量に登場してくるが、官職や姻戚関係など多少の齟齬は読み飛ばし、終章の「『源氏物語』の時代がやってきた」、辺りまで読み進めると、高校の日本史レベルの話も出て来て、既有の知識の範囲に近づいてくる。さすが専門の研究者と言うべきだろうか、奈良時代から平安前期、知らない事2024/01/19
エドワード
52
源氏物語が書かれたのは平安遷都から200年、平安時代の真ん中だ。古代日本の基盤である律令制度の崩壊とよくいわれるが、中国製の律令制が日本に合わず、変容するのは必然であり、その過程が詳細に語られる。しかし何より重要なのは、男も女も、実力第一ではなく、出自や家柄が重視される社会へ変容したことだ。まさに平成令和と続く現代日本に重なるよね。私は、たとえ停滞の時代と言われても、下剋上の戦国時代がいいとは決して思わない。平易な文章と文系理系や雇用の創出やオタクといった現代的比喩が効いており、実にわかりやすい。2024/03/04
ぽんすけ
48
鳴くよ鶯平安京から約200年の平安前期を取り扱った書。確かに平安時代というと、過去の先祖の威光を笠に着た蔭位の制の弊害で、大して実力もない公卿がわんさかいたイメージだったが、少なくとも奈良から平安前期に関しては貴族エリート層とは別に大学ルートで立身出世する学識派や、地方豪族の娘から宮廷のトップ女官に上りつめる女性もいたというのが驚き。確かに吉備真備とか地方出身の学識派の最たるものだよね。現代の感覚でいうとこの時期の朝廷の方が健全な気がする。今年は大河が光る君へということもあって手に取ったがとても満足できた2024/11/06
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