ちくまプリマー新書<br> 若いうちに読みたい太宰治

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ちくまプリマー新書
若いうちに読みたい太宰治

  • 著者名:齋藤孝【著者】
  • 価格 ¥825(本体¥750)
  • 筑摩書房(2024/01発売)
  • 初夏を満喫!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント25倍キャンペーン (~5/18)
  • ポイント 175pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784480688132

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内容説明

人の心の痛みに感応し、丁寧に掘り下げていくことで、自意識との葛藤や社会との距離感を、豊かに表現した太宰治。人生の壁に打ち当たった時に読みたい一八作品の魅力を、縦横無尽に語りつくす。一挙に学ぶ。カラー口絵とともに理解のツボが一目でわかる図版資料満載。

目次

はじめに/1 生きる元気をもらいたいときに読む/『新樹の言葉』──力こぶをいれて生きる人生のアイデンティティ/『富嶽百景』──苦しみを抱えながら、明るく前向きに生きる/2 社会に適応できないときに読む/『道化の華』──社会に溶け込めない〝ひりひり感〟を言葉によって消化する/『人間失格』──若いときだからこそ共感できる〝かさぶた感覚〟を味わう/『トカトントン』──むなしさに襲われるのは自分に気取りがあるから/3 女子の気持ちを知りたいときに読む/『女生徒』──感覚を言葉ですくいとることで、世界は豊かに豹変する/『カチカチ山』──惚れた男の愚かさと惚れられた女の残酷さ/4 ほんとうの幸福について考えたいときに読む/『斜陽』──幸福とは悲しみの限りを通りすぎて、ふと得た砂金のようなもの/『饗応夫人』──必死のサービスは人間だけが持つ愚かな優しさ/5 言葉の豊かさを味わいたいときに読む/『魚服記』──起承転結のクリアな展開で小説の面白さを知る/『走れメロス』──素晴らしい日本語のほとばしる言葉の濁流を楽しもう/『葉』──青臭い年齢におすすめしたい思考のアンソロジー/6 自分が人よりも劣っていると感じたときに読む/『眉山』──人はみな誰かの仲間になりたい存在だ/『黄金風景』──心の在り方の美しさが罪悪感を洗い流してくれる/7 人生の美しさとはなにかを知りたいときに読む/『満願』──人の美しい瞬間を切り取れば、人生の密度が濃くなる/『貧の意地』──自分に対して恥を知るメンタリティを持つ/8 愛の形について考えたいときに読む/『駈込み訴え』──どんなに愛しても、人は自分が思うほどには自分を思ってくれないものだ/『ヴィヨンの妻』──愛とは深く理解すること。理解すれば相手を許せる/あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

harass

53
図書館の棚で見つけて借りる。中高生向けの太宰作品の紹介。一般的な太宰治のイメージとは違う作品を取り上げてある。著者は繊細な社会との折り合いなどに悩む若者向けとしての教育効果を狙っているフシがあり、それに、小説を読み慣れてない人向けに書かれていて、自分のような擦れっ枯らしにはくどさを感じたところもあった。各短編の名シーン抜粋などがあり、すっかり忘れてしまっている作品も多く、作品を読み返す気になったのはたしか。2017/03/14

純子

23
『走れメロス』の授業前に読み始めた。「素晴らしい日本語のほとばしる言葉の濁流を楽しもう」とのこと。言葉の濁流とは言いえて妙。さすが。文章のリズムを楽しみながら音読をという提案に乗りたいところだが、時間も限られておりままならぬのが残念。いざ読むとなると読めない漢字のオンパレードで、なかなか濁流の勢いにはならなかった。太宰をほとんど読まずにここまできてしまった。若いうちにとはいかなかったがこれからでもいいかな。『女生徒』は先日読んだ北村薫さんのなかに詳しく出ていた。読んでいる子もいて、なんだか嬉しくなる。2018/03/15

JUN

23
だいたい読んだことのある太宰治の作品であったが、著者はより深い観点から解説を加えてあり、それらの作品を再読してみたいと感じた。特に「新樹の言葉」と「饗応夫人」を再読してみたくなった。2015/10/24

そうたそ

22
★★★☆☆ 小中学生向けの太宰治の紹介本。「人間失格」等から抱く陰鬱なイメージが強い太宰治の作品を、異なる視点から紹介しており、太宰治は若い頃にこそ読むべきという著者の考えが明確にあらわれている文章だった。細部を忘れている作品も多いので、また読み返さなきゃなあとつくづく。2019/12/10

太田青磁

18
「御伽草子」特に「カチカチ山」の兎がシュールすぎて切なくなりました。「メロス」の勢いとリズム感。「駆け込み訴え」の信仰のかげの苦悩、「貧の意地」の持つプライド。「饗応夫人」のもてなすことでの精神の安定や「眉山」や「ヴィヨンの妻」のおおらかさ救われます。「人間失格」は読めば読むほど心の闇の深さに捉えられてしまいます。原作に帰りつつ、作品間のつながりや太宰のメッセージをかんじなれたらなと思います。2012/12/21

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