内容説明
人の心の痛みに感応し、丁寧に掘り下げていくことで、自意識との葛藤や社会との距離感を、豊かに表現した太宰治。人生の壁に打ち当たった時に読みたい一八作品の魅力を、縦横無尽に語りつくす。一挙に学ぶ。カラー口絵とともに理解のツボが一目でわかる図版資料満載。
目次
はじめに/1 生きる元気をもらいたいときに読む/『新樹の言葉』──力こぶをいれて生きる人生のアイデンティティ/『富嶽百景』──苦しみを抱えながら、明るく前向きに生きる/2 社会に適応できないときに読む/『道化の華』──社会に溶け込めない〝ひりひり感〟を言葉によって消化する/『人間失格』──若いときだからこそ共感できる〝かさぶた感覚〟を味わう/『トカトントン』──むなしさに襲われるのは自分に気取りがあるから/3 女子の気持ちを知りたいときに読む/『女生徒』──感覚を言葉ですくいとることで、世界は豊かに豹変する/『カチカチ山』──惚れた男の愚かさと惚れられた女の残酷さ/4 ほんとうの幸福について考えたいときに読む/『斜陽』──幸福とは悲しみの限りを通りすぎて、ふと得た砂金のようなもの/『饗応夫人』──必死のサービスは人間だけが持つ愚かな優しさ/5 言葉の豊かさを味わいたいときに読む/『魚服記』──起承転結のクリアな展開で小説の面白さを知る/『走れメロス』──素晴らしい日本語のほとばしる言葉の濁流を楽しもう/『葉』──青臭い年齢におすすめしたい思考のアンソロジー/6 自分が人よりも劣っていると感じたときに読む/『眉山』──人はみな誰かの仲間になりたい存在だ/『黄金風景』──心の在り方の美しさが罪悪感を洗い流してくれる/7 人生の美しさとはなにかを知りたいときに読む/『満願』──人の美しい瞬間を切り取れば、人生の密度が濃くなる/『貧の意地』──自分に対して恥を知るメンタリティを持つ/8 愛の形について考えたいときに読む/『駈込み訴え』──どんなに愛しても、人は自分が思うほどには自分を思ってくれないものだ/『ヴィヨンの妻』──愛とは深く理解すること。理解すれば相手を許せる/あとがき
感想・レビュー
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harass
純子
JUN
そうたそ
太田青磁
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