内容説明
「あんた、葬式来る?」博打うちだった父の訃報を聞いても、キャバレーの下働きで糊口をしのぎ、廃屋のような寮に帰って寝るだけの章介の生活は何も変わらなかった。しかしこの年末は、キャバレーに出演する3人の芸人が、1か月共に寮で暮らすという。手品ができないマジシャンに女言葉の男性歌手、年齢不詳の踊り子。苦労の多い人生を送りながらも毎夜フロアを沸かせる3人に囲まれ、やがて章介は「淋しい」という感情を思い出していく――。舞台で出会った4人の共同生活が、1人の青年の人生を変えてゆく。
『家族じまい』『ホテルローヤル』の桜木紫乃が贈る、著者史上一番笑って泣ける”家族”小説。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
セシルの夕陽
69
この物哀しいのに明るい、そして前に進んでいく話、大好きだ♡ 桜木紫乃作品は3冊目、初の明るい作品✨ 舞台は作者出身地の釧路のキャバレー『パラダイス』 主人公はそこで下働きをしている青年:章介。パラダイスに年末年始のショータレント3人がやって来る。北東の果ての凍てつく土地の哀愁と、いろんな人生を背負った人たち。タレント達と共同生活をする内に、章介も成長していくのだ。ブルーボーイという表現を初めて知った。シャンソン歌手やストリッパー、マジシャンの海千山千の人生論に唸った。今年のベスト10ランクイン候補⭐️2024/04/04
はっせー
56
めっちゃ心が温まる作品になっている。冬のいまの時期に読んでほしい作品。北海道釧路に住む主人公章介。そこに3人の芸人たちが1ヶ月だけ章介の住む寮へ過ごすことに。いやーめっちゃいい!なんだろうこんな気持ちになれる作品多くないと思う。明日からも頑張れそうな気がする~本書を一言でまとめるなら「かりそめ家族のリスタート」かなと思う!2025/01/20
猫ぴょん
56
桜木紫乃さんの本はほぼほぼ読んでるけど、本作は輝くNo.1✨✨✨読み終わった瞬間思う。 めっちゃ続き読みたい。 なんだかね読みながら我も一緒にそこに「居る」ような気がしてたもんね。 いやもうハート鷲掴み✨ 切ないけど良きお話しでございました。 そうそう木崎さんが脳内で安田顕さんに変換😍うふふ 2024/04/14
Kazuko Ohta
53
久しぶりの桜木紫乃に、あぁやっぱり私が読みたい作家だと思っていたのに、しばらく進むと桜木紫乃を読んでいるということを忘れてしまいました。まるで高殿円の『グランドシャトー』を読んだときと同じ高揚感に駆られる。博打のためなら女房も売るような人でなしの父親が死に、母親とも離れてキャバレーに勤める章介。わずかな喜怒哀楽を表す場面もなかったような日々が、ドサ回りの芸人3人とひと月共同生活を送るうちに変わります。楽しくて、切なくて、永遠に読み終わりたくない気持ちに。北の国のキャバレーの話も最高だ。人生って、悪くない。2024/03/25
カブ
49
北海道の寒い冬を舞台に、場末のキャバレーの下働きの章介が自分の生きる道を探って行く物語。手品ができないマジシャン、大女みたいな男の歌手、年増の踊り子の3人の芸人と1ヶ月一緒に暮らす章介が変わっていくのが愛おしい。続きがあるなら読みたい。2024/01/31
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