内容説明
常に〈優等生〉な木下柚葉は両親からの期待を一身に背負い、
カメラマンになる夢すらも諦めて勉強ずくめの日々を送っていた。
とあるきっかけで、柚葉はクラスで〈暴力男〉と噂されている広瀬絃と知り合う。
不器用だが悪評とはかけ離れた優しい性格の広瀬と親しくなる中で、柚葉は少しずつ自分の本心と向き合えるようになる。
しかし、ある事件を境に広瀬は教室に居場所を失い――。
「自由に生きる」方法を探す、感涙の青春物語。
◇◇◇著者からのメッセージ◇◇◇
誰かのなにげない言葉で救われたり、支えられたりすることってありますよね。
言葉ではなくても、そばにいるだけで心強くなることもある。
生きていたら嫌なことも辛いことも悲しいこともたくさんあるけれど、きっと人生はそれだけじゃない。
ほんの一瞬でも、この物語が誰かの心にそっと寄り添えるものになれば嬉しいです。
水月つゆ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
34
両親からの期待を一身に背負い、優等生であろうとする高校生の木下柚葉。勉強ずくめの日々を送っていた彼女が、〈暴力男〉と噂されている広瀬絃と知り合う青春小説。不器用だが悪評とはかけ離れた優しい性格の広瀬と親しくなる中で、少しずつ自分の本心と向き合えるようになってゆく柚葉。夢にも向き合い始めた彼女が直面する家族との難しい関係、広瀬もまたある事件を境に教室に居場所を失ってしまう展開でしたけど、少しずつ変わり始めた彼女の背中を押してくれる人たちがいて、それぞれにしっかりと向き合っていく結末はなかなか良かったですね。2024/03/07
色素薄い系
2
たとえ親でも子供とは別の人間だから1から10まで決めてそれに従うなんて無理な話だよね。姉が母親の期待を裏切った事で自分にしわ寄せが来たと思っているけど姉にやりたい事が見付からずに母親に従ったままだったとしても柚葉は「出来る姉」と比べられそうだし結局不満の種が違うだけで結果は同じだったと思うんだよね。広瀬くんと出会った事で避けていた姉との対話も出来たし、両親に気持ちを伝える事も出来たから大きな一歩を踏み出せて良かった。最後の広瀬くんの遠回しすぎた告白がなんからしいな、と思いました。2024/01/21