内容説明
本書の主題となる「白鳥警部射殺事件」をめぐり、殺人罪の共謀共同正犯で起訴された村上国治は、最高裁で懲役二〇年の有罪が確定する。その後の再審請求審において出された「白鳥決定」が〝開かずの扉?といわれた再審の扉を押し開き、一時的な「再審ラッシュ」の時代をもたらした。頑なだった司法に「風穴」をあけるきっかけとなった大元の白鳥事件は、〝冤罪を装った殺人事件?にすぎなかった。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
パトラッシュ
115
白鳥事件は冤罪再審への扉を開いた最高裁決定で有名だが、事件そのものは「冤罪を装った殺人」だった。極左革命路線を唱導した51年綱領に基づき、共産党が繰り返した暴動や殺人の一環なのは歴史的に明らかだ。結果として国民の支持を失って選挙で全滅した苦い経験から、現在の共産党は白鳥事件も51年綱領も党史から抹殺している。首謀者の村上国治の冤罪を訴えながら、仮釈放後も議員に推さず飼い殺しにしたのも事実を認めていればこそだろう。自らの掲げる正義を批判されるのを恐れて、都合の悪い真実を切り捨てる政治の非情さを証明している。2024/03/28
とくけんちょ
36
厳しいようだが、本書から得られる新しい事実は全くない。何が実録なんだか。2200円の価値はないかな。昨今の再審ブーム。それを切り開いたと言われる白鳥決定。その価値はあれども、組織に翻弄され、許されざる犯罪を犯した哀れな男。賭けるべき価値があるのか、何かに殉じる、その価値は否定したくない。2024/11/26
チェアー
5
「実録」とあるが、事件の謎解きはあまりない。3人の容疑者が克明に事件について語り、それらが齟齬がないことが、白鳥事件が冤罪でなかったとする根拠になっている。 事件の全容や冤罪ではなかったことの根拠はあまりわからなかったが(だから決定版とは言えない)、「日本の黒い霧」くらいしか知らなかった白鳥事件について知る機会が与えられたことはよかった。 2024/05/02
-
- 電子書籍
- 愛され聖女は王子殿下の治療係【タテヨミ…
-
- 電子書籍
- KILLER’S HOLIDAY 第1…
-
- 電子書籍
- 文系のためのNCツーリングの基礎。 -…
-
- 洋書電子書籍
- Compact and Fast Ma…
-
- 電子書籍
- 虚構推理 限定版(9)