内容説明
システム理論を用いてこそ社会学ができる。
どういうロジックでそう言えるのか?
難解とされる理論を基層から掘り起こし、その可能性と魅力を明快に示す。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
LM
3
【通読】「ルーマンが依拠するシステム理論はサイバネティクスの領域に属する」(7)ということが解説されている。構造的カップリングの導入によってシステムが環境からの入力に一対一対応で(まるで関数の入力のように)動くわけではないことが記述され、システム理論に進化理論を組み込むことで環境の変化というよりもシステムにおける環境像の変化を進化と同定するなど、社会学にシステム理論を導入することの嬉しさがすこしわかってきた。ただ「システムが観察する」ということの意味と含意がやはりよくわからない…。2021/07/29
ぷほは
3
著者がこれまで書いてきた社会システム理論に関する論文を集めたもの。時期も90年代から最近のものまで含むので、統一的な内容というわけではないのだが、立場としては一応サイバネティクスという研究動向の展開ないしは発展継続としての社会システム理論という視座から、ルーマン理論を眺めるといった趣向になっている。大黒岳彦や馬場版『社会システム』の解説と同様、佐藤俊樹の名前を出さずに当てこするみたいな文言が出てきて、本当にルーマン研究者の中で嫌われているんだな。。という感想がまず出てしまった。なんとも非生産的で残念な話。2021/07/13