内容説明
千日出版の教育部門で課長を務める秋吉に衝撃的な情報が入った。事業を率いる梶原局長の中3の息子が、謎の転落
死を遂げたというのだ。部署が一大プロジェクト――大手進学塾と合併し社を独立、IT企業との提携のもと、最新技
術を駆使した[引きこもり・不登校対策]を打ち出す新時代の高校を開校――に臨んでいたときだった。プロジェクトは一
時中止になり、事故ではなく自殺という噂が社内では急速に広まる。梶原とは家族ぐるみの付き合いだった秋吉は、部
下の前島と調査を開始するが、人事課の飴屋から警告される。以前から、社長派と専務派が対立する社内。会社の上層
部は秋吉に隠蔽を働きかける。少年の死という状況のもと、彼らが気にするのは自社の利益追求と保身だった。信頼でき
ない上司、暴走する部下、情報戦の様相を呈す社内派閥抗争……。もはや社内に信用できる者はいない――。子どもた
ちの未来のために新しい学校をつくる、その志を持って教育事業を推進してきた秋吉の運命は。少年の死の真相は。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
オーウェン
58
出版社による引きこもりのための通信高校の設立。 その矢先に局長の息子が転落死する事故が。 自殺か他殺かによってプロジェクトに暗雲が灯りかねないため、課長の秋吉は事実を知ろうと会社の上層部へと掛け合っていく。 社会派小説の一端だが、会社内での力関係が見え隠れする。 その中で部下への指令や、人事課の目が光る中で次第に戦況は悪くなっていく。 まとめ方として悪くはないと思うけど、その状態からは無理があるのかなという結末。 なんとなく池井戸小説を狙ったかのような中身だった。2024/04/04
chikap610
11
読みました❗️ 皆さん心が細く繊細でした❗️ 了衛ちゃんぽくなかったのかな?って思うけどどうでしょうね? 大変申し訳ないけど、可もなく不可もなくって感じでした。2024/02/20
ohion
8
初読みの著者。教育事業に取りんでいる出版社で、プロジェクトリーダーというべき人材の息子が亡くなった。 自殺か事故か、文科省との癒着、社内の派閥争い、イジメ/不登校といろんなネタが散りばめられてる。サクサクと読み進めたものの、なんとなくどのネタも中途半端に感じてしまった。盛りだくさんではあったんだけど。2024/01/15
ドットジェピー
6
面白かったです2024/01/01
のじ
5
転落した少年の死の真相をさぐっているうちに、会社のいろんな思惑が絡んできてなんだかわからなくなる。社会人ってめんどくさいな。月村さんの小説にしては推進力に欠けた気がして少し読みにくかったです。2024/04/06