角川文庫<br> 暗い青春

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角川文庫
暗い青春

  • 著者名:坂口安吾【著者】
  • 価格 ¥748(本体¥680)
  • KADOKAWA(2023/12発売)
  • ポイント 6pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784041143155

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内容説明

青春ほど、死の翳を負ひ、死と背中合せな時期はない――。同人誌を編集するため、あるじが自殺して間もない芥川龍之介の旧宅に通った日々。苦悶がしみついているかのように陰鬱な部屋が思い起こさせるのは、青春時代に死んでいった仲間たちの姿だった。人間の喜怒哀楽の舞台裏に潜む、振り払い難き「死」の存在に、無頼派の旗手が独自の視点から肉迫を試みた。表題作「暗い青春」ほか、火花の如き輝きを放つ短編10編を収録。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

優希

46
再読です。青春期の自伝を題材にした短編集になります。暗い空気をまとっているのは、安吾が落伍者を目指していたからなのですね。自死して間もない芥川の家に通い詰めたというのには鳥肌が立ちますが。苦悶が染み付いているのみならず、喜怒哀楽の裏にある「死」の存在。無頼派ならではの独自の視点が印象深いです。2025/01/30

優希

41
無頼派の色濃さを感じました、何より芥川の自殺した家に通い詰めたというのに鳥肌が立ちます。芥川の苦悶が安吾自身の青春と重なったのでしょうね。暗い青春。それは同じ無頼派と称された織田作や太宰の死だったのかもしれません。振り払うことのできない「死」。不吉な輝きの美しさが貫かれた短編集と言っても良いかもしれませんね。2024/03/17

優希

36
青春と死を感じます。芥川の家に通い詰めたことで、芥川の苦悶が安吾の青春と重なって見えました。喜怒哀楽の裏に潜む死の影を独自の視点で描くことで不吉な美しさが詰まった短編集だと思います。2025/03/20

たまきら

34
新刊コーナーより。一時坂口安吾にはまって結構読んでいたんですが、この本は読んでいませんでした。芥川龍之介が死んだ家に出入りしていたエピソードには正直ゾッとしましたが、化け物じみたそれらすべての根底に「暗い自分」を認める彼の客観性に「ああ、坂口安吾だなあ」と妙に納得しました。なんでこんなにかっこいいのかと思ったら「文豪ストレイドッグス」という漫画とのコラボだそうです。ほほう…。2024/01/26

ホシ

24
さすが美文の誉れ高い坂口安吾。それが本作を読んだ最初の印象です。生い立ちと父母を巡る恩讐、芥川の旧宅に集った同人との友誼、矢田津世子との恋愛と絶交、戦争と自身の文学に対する虚無感、そして、これらに付き纏う死の翳。内なる葛藤と矛盾が火種となって呼び覚まされるタナトスが深い洞察をもって堅実に描き出されます。坂口安吾の人となりが窺い知れて興味深かった。何が何だか分からぬ。もう死んじゃえという囁き声が聞こえる。でも、死んじゃいけない。なぜ死んじゃいけないか分からないけど。誰もが覚えのある感覚ではないでしょうか。2024/03/16

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