内容説明
「ネステッド・クライシス」の時代を生きる日本人へ!
時事問題にも積極的に発言してきた「活動する哲学者」ガブリエルの目に映る、日本社会の「レイヤー」とは何か? 「90年代で足踏みしている」と評された日本人は、これからどうすればいいのか? 気候変動に始まった複合的な危機の時代を見通す視座を伝授する!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Tenouji
19
後半から、非常に面白くなって、一気読みw。そっか、「こころ」を失ったのは日本人(夏目漱石)だけではなかったのね。直線的な欲望をイメージしてしまう資本主だが、この先は徐々に螺旋状に折りたたまれていくイメージ。その時、日本のガラパゴス的な弱みが強みになる、のかな?2024/02/27
呼戯人
16
マルクス・ガブリエルのNHKによるインタビュー集。かたり下ろしなので、焦点が惚けているし、こんなことを言うためにわざわざインタビューしたのかよ、と言った感じの本。気候危機を言いながら、資本主義は肯定しているし、搾取や差別や格差に対する批判もない。哲学は現実を説明するためのものと言っている割には、その説明が曖昧でつまらないものが多い。2024/01/30
なつのおすすめあにめ
6
5年ほど前、祖母が脳出血で倒れてしまい私の世界が崩壊し、それからNHKの番組でマルクス・ガブリエルを知った。翌年から『欲望の時代を哲学する』『世界史の針が巻き戻るとき』『新実存主義』『全体主義の克服』『新時代に生きる「道徳哲学」』『つながり過ぎた世界の先に』まで親書を読んでから『なぜ世界は存在しないのか』を読み、『「私」は脳ではない』『わかりあえない他者と生きる』、そして未翻訳三冊を紹介している『マルクス・ガブリエルの哲学: ポスト現代思想の射程』を読んだ。コロナ禍を貫通して付き合い続けた哲学者になった。2023/12/21
🥃🍷
3
何か明確な解決策を語るわけではない。そこがマルクスガブリエル氏のいいとこ2024/03/16
もじ
2
哲学的な要素が多すぎて、ほとんど活字を追うだけになってしまった。 結局何が言いたいのかさっぱりで、このマルクスガブリエルのすごさも感じなかったが、確かに東洋とりわけ日本の方が個人主義というくだりは勉強になった。西洋のほうが輪を大切にしているかもという視点はためになった。 倫理的資本主義。資本主義に限界はあるのだろうか。まあ、こんな本もたまにはありかも。2024/02/06