内容説明
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忘れえぬ人、大林宣彦の思い出。
妻が語る映画人生、そして別れ。
「今こそ、いろんな、
いろんな話がもっとしたかった」――山田洋次
映画を心から愛し、作り続けた大林宣彦監督が2020年に世を去って3年半。
監督の最愛の理解者で、プロデューサーとして62年ともに歩んだ妻が、その映画人生、多くの人に愛された素顔を語る。
監督との成城大学での出会い、恋、自主映画作りの日々、CMディレクターから映画へ。「転校生」「時をかける少女」などの尾道三部作を始め、3・11以降、作風が変わった戦争三部作「この空の花―長岡花火物語」「野のなななのか」「花筐/HANAGATAMI」や、遺作「海辺の映画館―キネマの玉手箱」に込めた戦争反対への強い思い――。
盟友・山田洋次監督、大林映画最多出演の女優・入江若葉と大林恭子の対談2本収録。
小津安二郎、黒澤明、角川春樹、大森一樹監督らの映画好き必見の逸話も満載。
聞き手・朝日新聞編集委員 石飛徳樹。
「笑顔と、生きることと、明日を」は、亡くなる一ヶ月前、入院中の監督に何か持ってきて欲しいもの、あるかしらと聞いた時の監督の言葉です。その夜、私はひと晩中涙とまりませんでした。
(あとがきより)
感想・レビュー
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keroppi
78
大林監督が亡くなられたのは、4年前の八重桜が満開になった日だそうだ。タイトルの「笑顔と、生きることと、明日を」は、亡くなられる1ヶ月ほど前、恭子さんが入院中の大林監督に「何か持ってくるものある?」と聞かれた時の監督の言葉らしい。全体を通じて伝わってくるお二人の愛と信頼感。恭子さんがいなければ、大林監督の作品たちは生まれなかったのかもしれない。入江若葉さん、山田洋次監督との対談もあり、とにかく映画人たちの交友の素晴らしさが伝わってくる。大林監督の純粋さと優しさが、こういう人たちを繋いでいたのだろう。2024/03/19
ぐうぐう
33
妻・恭子が語る大林宣彦との想い出。しかし、ここには妻としてよりも、プロデューサーとして大林を支えた恭子の姿がある。CM監督から商業映画を撮ることが、当時どれほど衝撃的な出来事だったのか、恭子は懐かしみながらも、大林が受けた批判や中傷を赤裸々に語っていく(そのデビューの仕方以上に、公開された『HOUSE ハウス』のぶっ飛んだ内容が賛否を呼ぶが、この型破りなスタイルを遺作となった『海辺の映画館 キネマの玉手箱』にも存分に感じられることが大林宣彦の凄さだろう)。(つづく)2023/12/28
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