文春新書<br> 紫式部と男たち

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文春新書
紫式部と男たち

  • 著者名:木村朗子【著】
  • 価格 ¥950(本体¥864)
  • 文藝春秋(2023/12発売)
  • ポイント 8pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784166614288

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内容説明

男たちは日記を書き、女たちは歴史を書いた
2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』の最良の手引き!

物語が女の人生を照らし、男たちの政治をも動かす――。

宮廷を中心に文学が花開いた平安時代。
壮大な人間ドラマである『源氏物語』はいかにして書かれ、どう読まれたか? 
セクシュアリティと権力の観点から平安文学を読み解いてきた日本文学研究者が、紫式部と同時代を生きた男たちの実像を通してその歴史を描き出す。

〈目次〉
はじめに 紫式部はなぜ『源氏物語』を書いたのか
第1章 『源氏物語』の時代
第2章 摂関政治下の色好みの力
第3章 すべては『蜻蛉日記』からはじまった
第4章 女の物語の系譜
第5章 呪いと祈祷と運命と
第6章 女房たちの文化資本
第7章 『源氏物語』はどう読まれたか
第8章 女が歴史を書いた
おわりに

色ごとが政治に直結していた平安時代。女房たちが宮廷に出仕し、和歌や散文を読む教養あふれるサロンが形成され、そのサロンの趨勢もが政治を左右しました。紫式部をはじめとする女たちが物語を書き、その物語が女たちの人生を照らし、時に男たちの政治をも動かす。物語と現実とが深く響き合った稀有なこの時代の手触り、そして人々の生きざまを、『源氏物語』を読み解きながら蘇らせる、めっぽう面白い一冊が誕生!
〈性と権力〉に着目して平安文学を読み解いてきた著者・木村朗子さんの鋭くも小気味よい読みに誘われ、いつしか紫式部の人生、『源氏物語』の神髄に触れることになるはずです。

2024年NHK大河ドラマ『光る君へ』のまたとない手引きである本書、ぜひお読みください。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

たま

65
『源氏物語』、角田光代訳上巻のみ読んで、あとは積読になっていたが、最近中巻を読み始めた。ドラマ放映に伴い源氏物語についての本がたくさん出版され、これもそのうちの一つ。平安文学研究者による書下ろし新書で、サラサラ読めて、私のような門外者の疑問と興味にこたえてくれる。現代の眼から見ると問題の多い『源氏』だが、女性の研究者が増えフェミニスト的読み直しがなされているのが心強い。この本でも触れられているが、やれ不敬だ、やれ大和魂だなど、ある時代に当然と思われていた見方でも振り返ると偏っていることが多いのだから。2024/05/06

チャーリブ

37
『源氏物語』は、11世紀初頭という世界で最も早い時期に、しかも女性作家によって書かれた本格的長編小説。本書は、この世界的に稀有な小説がどのようにして成立したかを同時代の文芸作品を援用しながら解き明かしています。女性のセクシャリティという視点が著者らしさでしょうか。当時の宮廷サロンの有り様、摂関政治における藤原氏の権力闘争、権力者と女房たちの駆け引き、リアルな政治を左右していく物語の力、夢占や呪術、祈祷といった幻術的リアリティなど興味深いものばかり。日本に『源氏物語』があってよかったです。○2023/12/31

Kanonlicht

33
大河ドラマの参考に。『源氏物語』は中流貴族の女性という読者層を明確に意識し、彼女たちの願望をくすぐるように書かれている。欧州で小説が登場する700~800年も前にこの作品が誕生し、作中人物同士が物語について議論するメタ要素まで取り込んでいるのだから恐れ入る。光源氏の人物像は複数の男たちがモデルになった可能性があるそうだけど、最後に愛する中将の君を紫式部自身になぞらえ、藤原道長との永遠の愛(作中では光源氏の最期は描かれていない)を匂わせたという説はなかなかロマンティック。2024/01/16

k sato

27
紫式部の色恋を描いた本ではなくて意気消沈。しかし源氏物語を斬新な視点で解釈することができた。一条天皇の中宮・彰子を通じて紫式部がみた平安貴族の「政治」。それは天皇を頂点とする男たちの「性治」であった。政を掌握するために、自らの子女を天皇に入内させ男御子を次の帝に推挙した。一条天皇が源氏物語を絶賛したのは、そのような当時の政治戦略に共感しつつ、フィクションとしての完成度に感銘を受けたからだ。源氏物語を単に光源氏の色魔物語と解釈するのは拙速であった。出版社が都合よく切り取った文脈だけを私は読まされていたのだ。2024/05/12

花林糖

18
図書館本。大河ドラマの影響で関連書籍の出版が多く嬉しい。紫式部は余り登場しないけれど興味深く読了。特に印象に残ったのは兼家の何番目かの妻で『蜻蛉日記』の著者藤原道綱の母の箇所。日記には有力貴族と結婚した待つ女の恨み・辛み・苦悩等が綴られている。巻末には道長の年譜、天皇・源氏の系譜、藤原氏系譜有り。<『源氏物語』の時代/摂関政治下の色好みの力/すべては『蜻蛉日記』からはじまった/女の物語の系譜/呪いと祈祷と運命と女房たちの文化資本/『源氏物語』はどう読まれたか/女が歴史を書く> 2024/01/09

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