内容説明
風里は、控えめな性格なのが悩みの高校1年生。同じクラスでひときわ目立っている千冬くんは、幼馴染で今でも同じマンションに住んでいる。昔は仲が良かったが、地味な風里とは違い、千冬くんは中学に入った頃からどんどんカッコよくなって、あっという間に手の届かない存在になってしまった。女の子といるところを見ると胸が痛くなるけれど、この気持ちには気づかないフリをしてきた。ある日、弟の付き添いで病院に行くと、千冬くんの姿を見かけた。その後、学校を休みがちの千冬くんを心配に思い、勇気を出して声をかけてみると、不可逆性体温低下症、通称「100日病」という難病を患っていると言う。彼は、発症したら100日後には低体温で死んでしまうという不治の病だった――。大切な人のために、自分にはなにができるのか。悔いのないように一生懸命生きるとはどうすればよいのか……。風里は必死に考える。ラストは号泣必至!命と勇気の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
27
いつも自分を後回しにして、周りに合わせてしまう高校生の風里。そんな彼女と100日病が発生してしまった幼馴染の千冬の純愛を描いた青春小説。大好きだった絵すら母の一言で止めてしまった風里に、彼女の描く絵が好きだと言ってくれた疎遠だった幼馴染の千冬。その言葉をきっかけに自分の思いに向き合っていくと同時に、封印していた千冬への思いを意識していく風里。けれど100日病が千冬の身体を着実に蝕んでいく展開は厳しいですけど、彼のために絵を描こうとする風里の決意と、最後に残された手紙がなかなか印象的な物語になっていました。2024/04/01
色素薄い系
2
面白かったです。こういう難病奇病で最後は悲恋になるやつ好きだと改めて思う。千冬が風里に対して直接言葉で好意を伝えてはいないけど裏でコソコソしてたやつが周囲の人からリークされてて可哀想可愛い。母親の心無い言葉で描けなくなってしまった絵を千冬の願いの為になんとしても間に合わせる、と頑張る風里の姿は良かったです。遺された手紙を受け取って読む、という部分は定番といえば定番だけどそれだけに弱い人は効くだろうなぁと(自分はなかなか涙腺を刺激されることはないので泣くまではいかないけど)。2024/02/27