内容説明
◆必読入門書
俳句はこうして生まれる。
欲しかった一冊。
初句索引に加え、「私を育ててくれた人々」を書きおろしています。
入門書としては必須アイテムのシリーズです。
◆001
晩夏光もの言ふごとに言葉褪せ
昭和四十一年、大学入学と同時に「慶大俳句」に入会した。クラブ活動は短歌か俳句と心に決めていたが、当時短歌研究会はなかったので、おのずから俳句研究会へ導かれた。新入生歓迎会は明治神宮吟行。近くの喫茶店で生まれて初めて句会というものに参加した。現役よりOBの方が多い句会だったが、何句か先輩達の選に入った。それでやみつきになったが、やがて自分の言葉の貧しさにも気づかされた。
(『夏帽子』昭和四一年)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
松本直哉
14
「うつしみは涙の器鳥帰る」心の均衡を失うと、いつでもどこでも涙がこぼれた、と自解にある。まるでからだの中の液体がすべて涙になったかのような、こわれやすくぬれやすい「生身」、それがうつしみ。北に帰って行く鳥は、季節の移り変わりをしめすだけでなく、手の届かないところに行ってしまった人がそこに重なる。その鳥を見上げることで、かろうじて心の均衡を保ち、目のふちまできている涙がこぼれることから免れている人がいる。「ふたり四人そしてひとりの葱刻む」の内省も良かった。漢字とかなのバランスのとりかたが美しい。 2016/09/02
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