内容説明
品川桜警察署の刑事・橋口志郎は、あるマンションでのサラリーマン・高村の変死事件に臨場する。自殺という結論が出る中、志郎と同じ署の刑事である妹の紀子は、高村の婚約者の話を聞いたことから、その決定に疑念を抱く。一方、志郎は高村が勤めていた東京都下の建設会社を捜査していた。そんななか、紀子が事故に遭ったと連絡が入り、志郎自身も殺人の容疑をかけられ、身内であるはずの警察から追われる身となってしまう。逃亡を続ける志郎の前に徐々に浮かび上がる強大な「敵」と、事件の裏で進行する日本を揺るがす「ある計画」とは。衝撃のクライムサスペンス!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
163
こんなことがこの国で起こりませんように。心の底から祈りながら読んだ。最終のPart5『攻防』ハラハラドキドキの銃撃戦が凄かった。いったい何がしたいの?と、犯人の目指す先が気になって、貪るように頭を空っぽにして追いかけた。はぁ・・私は五十嵐貴久が好きなんだなぁ。2024/01/12
ma-bo
104
マンションの一室で見つかった建設会社社員の首吊り死体。自殺と思われていたが、共に刑事の橋口兄妹が勤務先への聞き取りや、婚約者の話しを聞いた事から違和感を覚える。そんな中妹の紀子が轢き逃げされ、兄の志郎は殺人の容疑で身内である警察から追われる身に。前半は硬質な刑事物と思わせて真相に近づく中盤からは、事件の裏に潜むある計画が進行するクライムサスペンスに。物語のプロットに荒唐無稽さがあり最後はバタバタに終わってしまった印象あるなあ。2024/03/24
まちゃ
95
大筋は、国際謀略ものだと思います。陰謀が露呈する警察パートと陰謀を阻止するラストの配分のせいか展開のせいか、壮大な陰謀の割りにあっさりと終わった印象。エンタメとしては面白かったですが、重厚感は少なめでした。陰謀を阻止するのが所轄の刑事っていうのも原因かもしれません。2024/03/24
雅
92
パンデミック的な話かと思っていたら、国家レベルの壮大なスケールの話に展開。エンタメ感があって楽しかったです。2024/04/15
hirokun
79
★4 久しぶりに五十嵐さんの犯罪サスペンスを楽しませてもらった。やっぱり彼のエンターテーメント重視の警察小説は、スピード感もあるし一気読みした。後に残るものがあるわけではないが、私はこのような作品も読書の楽しみの一つであると思う。最終盤は、銃撃戦となり引き込まれながら圧巻の終了。2024/01/08