内容説明
母・樹木希林と 父・内田裕也を たてつづけに喪った。
虚しさ、混乱、放心状態、ブラックホール……。
「人生の核心的登場人物を失い空っぽになった私は 人と出会いたい、と切望した」
谷川俊太郎 小泉今日子 中野信子 養老孟司 鏡リュウジ 坂本龍一 桐島かれん 石内 都 ヤマザキマリ 是枝裕和 窪島誠一郎 伊藤比呂美 横尾忠則 マツコ・デラックス シャルロット・ゲンズブール
独りで歩き出す背中をそっと押す、15人との〈一対一の対話〉
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
鉄之助
201
内田也哉子が、母・樹木希林が逝った直後の「空っぽを満たす旅」(副題)に出て、16人とインタビューを重ねる。思った以上に心に沁みた。小泉今日子に「曲の振りも覚えないし、歌も下手で才能ないから誰と何をすればもっと面白くなるかを常に考えてた」と言わしめ、小泉が元々持っていたプロヂュース能力にスポットを当てていた。どのインタビュー記事も興味深く、内田自身が、優れたインタビューアーだったことに気が付いた。2025/03/09
mukimi
124
親を亡くすということ。それはいつか必ずやってくるのに直視できない、自分が最も恐れていることの一つだ。本書は、立て続けに両親を亡くした筆者が心に空いた大きな穴を埋めるために各界の著名人に人生や家族の話を(1人で出向いて)聞き歩き、気付かないうちに傷を癒してゆく連載集。著名で多才な変わり者の両親を持ち、19歳でアイドル俳優と結婚した、映画の主人公設定みたいな筆者。独特の感受性を尖らせているのかと思いきや、謙虚に素直に娘のように人々の言葉を受け止める、まるで映画のナレーションのような存在だった。2024/11/09
nonpono
113
有名人の弔辞を動画で繰り返し見たくなるのは赤塚不二夫へのタモリと内田也哉子の裕也だけである。内田也哉子の「彼は破天荒で、時には手に負えない人だったけど、ズルイ奴ではなかったこと。地位も名誉もないけれど、どんな嵐の中でも駆けつけてくれる友だけはいる。」のくだりが好き。樹木希林が「こんなわたしに捕まっちゃって」といい、樹木希林の最期に電話口で名前を叫んだら、樹木希林が孫の手を握り返したエピソード、また、横尾忠則のポスターを褒めたくて居場所を探す話が響く。内田也哉子の文章を通じてまた裕也が脳裏にこびりついた。2024/07/19
ネギっ子gen
85
【42歳、いのちの折り返し地点に立った私は、気づけば台風の目のような静寂に包まれていた――】5年前、私は母と父を立て続けに喪った……。大きな喪失を抱えて谷川俊太郎、小泉今日子、坂本龍一、伊藤比呂美ら15人と1対1で対峙して綴ったエッセイ集。<この喪失という名の空っぽの旅に、一歩踏み出すことにした。人生の核心的登場人物を失った私は、ありとあらゆる生業の、それぞれまったく異なる心模様を持った人間に出会いたい、と切望した。強風に薙ぎ倒された道しるべを頼りに、時に寄り道しつつ、行方知らずの放浪の旅に出た>と――⇒2024/03/20
yuukappi
54
内田也哉子さん、錚々たる人々の対話ですが、絶妙の書きぶりといいなと思いました。 なお、石内都さんが、「私はもう私より年上のやつとは話さないと決めた。例外の人もいるけど。同世代もいらない。だって、つまんないもん。」と豪語したことに感心しました。その次の章に、ヤマザキマリさんがでており、知ってはいましたが、ぶっ飛んでーなーと思いました。速攻、ムスコ物語を読みました。2024/09/10
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