内容説明
被治者の視点から権力者の行動原理を読み解く政治学のテキスト。「思想」「経済」「軍事」「制度」から近代国家の形成を解説し,主に日本政治を対象に国民国家を前提としてつくられた民主主義の可能性と限界を論じます。古典を題材にした問答形式のコラムも充実。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
フクロウ
5
羅芝賢は『番号を創る権力』、前田健太郎は『女性のいない民主主義』という、それぞれ近時の著名研究をものしており、その2名のコラボになる教科書が面白くないわけはなく、発売以前の予告初発段階で注目していた。内容はオーソドックスな政治学の本というよりは、人文社会科学のパラダイムを規定している(た?)マルクス主義の思考枠組みを踏まえつつも、単に上部構造下部構造の単純な仕組みとしては政治は把握できないことを、2020年以降の文献も含む膨大な文献により描出する本。知識量に眩暈がするし、なかなか真似できない手際だなと。2023/12/24
Ra
3
被治者の視点に立ち、思想・経済・軍事力・制度のそれぞれの角度から権力の働きを読み解くとする教科書。著者の一人である前田先生の『女性のいない民主主義』の問題意識を、政治学における主要トピックに敷衍させた教科書という感じ。2024/02/12
261bei
1
思想・経済・軍事力・制度という権力資源に着目して近代国家の形成を読み解くというコンセプトで書いたという(序章)。理論面では、マルクスの見解と実際の世界史の動きがどこで食い違ったかの説明だとか、ジェンダーを中心とした議論の進展を学問体系に組み込むとどの辺に効き目が出てくるのか、あと政治学の理論が西洋由来であり、東アジアの状況と噛み合うかどうかという考察が出てくるのも非常に頼もしい。2025/02/07
shin
1
ジェンダー、権力構造といった社会学よりの視点を加えたヒューマニティー政治学の趣。偉大な学者たちの類型を硬派に述べる本も大事だが、社会を鏡に政治を見る、そしてあえてスタンスをとって書いている本書のような書き方は好み。そして日本の政治の不思議なところを解き明かす読み物としてそもそも面白い。2024/03/25




