内容説明
今〝林住期〟を迎えている団塊世代へ、「個々の人柄、味、品をもって若き世代に何を残せるか、伝えていけるか」を、臨床医の視点から真摯に綴る。69歳から96歳へと向かう、団塊世代の「団塊愛」にあふれるエピソードが満載。団塊世代の役割を臨床医の視点で綴った一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しゃが
22
気になる医師のおひとりのエッセイ。同じ世代でもあり、「そうそう」と言いながら読んだ。医師の部分で留めたものは「皮膚の孤独。人は一枚の皮膚で包まれる。生命体は皮膚で区切られて独立し、孤独となるため、皮膚は相手の孤独を求める。皮膚が皮膚に触れるとき、ある種の感情がわく。恐い、けがわらしい、温かい、やさしい、不思議な快感を覚えるなど、思ってもみなかった感情が生まれてくる。皮膚が皮膚を包むとき、安らぎが生まれる。…手のひらは柔らかい、そして弱い。人は弱いところを使って心は交流する。」納得だった。 2015/12/20
donky
1
診療現場にいる徳永先生の、自身を含めた人間への観察から見えてくる孤愁は、身体という外形にも反映しているとの認識でしょうか。団塊世代が高齢化した中で、彼らが享受した知識もある意味相対化される。