内容説明
“とるにたらないもの”から、美術の死角を浮かび上がらせる。
クリスチャン・ラッセンをはじめとするインテリアアート、心霊写真、VARやドローンから佐村河内守まで。従来の美術の枠組みの外に置かれてきた数々の作品や事象を取り上げ、それを丹念に論じることを通して美術とは何かを問う。制作と執筆をシームレスにつなげる気鋭のアーティストによる初の美術論集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
えすてい
8
ラッセンの章はこの著者の他のラッセン本と書かれていることがほぼ同じでこの本では「ダイジェスト版」になっているので多くは語らない。他の章は、「大衆」、その作家や作家の物語を知らない読者にはとっつきにくく読んでもちんぷんかんぷんな感じもする。ただ、佐村河内守問題は懐かしく思い出された。例の「交響曲」も、一連のテレビドキュメンタリー番組も、そして当人の名前すら10年以上経った今は忘却されているし、メディアでは「タブー」扱いなのかもしれない。しかし、「大衆」に分かりやすい物語を求める「アート」の根底は変わらない。2025/06/17
fuku
5
とても興味深く、面白く読了。ラッセンかぁ、と昔を思い出す。心斎橋を歩いていて、絵で呼び込みかけられて、ドン引きしたのを思い出す。結局、きちんと美学も美術史も学んでいない私にあるのは、好きか嫌いか、欲しいかいらんか、しかないんやなぁ、と再確認。これからAIが作る作品をどう思うんか、楽しみでもあり、また、先行きも不安やけど、やっぱり好きか嫌いか、しかないんやろなぁ。それから、紙が素晴らしい。手触り最高で、ページをめくるたびにすべすべしているのが気持ちよくて、撫でまくりでした。2024/02/15
CBF
3
(★★☆☆☆) “とるにたらないもの”から、美術の死角を浮かび上がらせる。クリスチャン・ラッセンをはじめとするインテリアアートから佐村河内守まで。従来の美術の枠組みの外に置かれてきた数々の作品や事象を取り上げ、丹念に論じることを通して美術とは何かを問うー。 ラッセン確かに一時期流行ってたな。子供心にも、劇的な絵に目を惹かれつつ、何となく新興宗教みたいないかがわしさも感じてた覚えが。 『何かに対して「好きだ」と感じることと同様に、何かに対して「嫌いだ」と感じることからもその人の性格がわかることがある。』2024/04/19
ああああ
2
ラッセンについて、来歴から日本との関係、ヴェイパーウェーブまで、読んでいて気になった情報が次の部分には載っているのが過不足なく良かった。単純にラッセンという人物は追っていて面白い。幼少期に絵を売り周囲に認められたことから販売と創作が強く結びついているのは腑に落ちた。他ではローランの『セザンヌの構図』から主観と客観の話に展開させた章も良かった。セザンヌの絵をローランがダイアグラム化してそれをリキテンスタインが拡大コピーした事件、面白い。全体的には筆者のバラバラなテキストでまとめにあたる章がないのは不満かも。2024/09/07
takao
2
ふむ2024/08/10
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