朝日文庫<br> うらんぼんの夜

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朝日文庫
うらんぼんの夜

  • 著者名:川瀬七緒【著者】
  • 価格 ¥950(本体¥864)
  • 朝日新聞出版(2023/12発売)
  • 2025→2026年!Kinoppy電子書籍・電子洋書全点ポイント30倍キャンペーン(~1/1)
  • ポイント 240pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784022651334

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内容説明

片田舎での暮らしをきらう高校生の奈緒は、東京から越してきた亜矢子と親しくなる。しかし、それを境に村の空気は一変し、亜矢子の口数も少なくなってしまう。疑念を抱く奈緒は、密かに彼女の自宅に忍び込もうとするが……。解説・西上心太。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

tenori

39
ホラーミステリーながら島国日本に息づく排他的文化の根源を再認識させられる社会派小説の側面も。作者の出身地福島県が舞台なのも肝。集落への移住者を排除したがる風潮を震災の風評被害になぞらえて『簡単にあっち側へ行ってしまうのか』と問う主人公・奈穂は熱い。明かされる地蔵信仰の本質と連鎖する不可解な現象。集落という閉鎖的かつ濃密な運命共同体ゆえの暴走に否応なく向き合わされる奈緒の選択は賛否が分かれるだろう。それにしても逆さ吊りの女って。恐すぎます。2024/10/05

田中峰和

6
戦中に16歳だった曾祖母の回想が各章の冒頭に入る。そこからコロナ禍の現代に物語は転じるが、旧態依然とした村の状況はそのころと変わらない。スマホは活用するが、老人たちの暮らしは昔のままで、女子高生の奈穂は家事や農作業を手伝わされる。都会から編入してきた亜矢子は、村の老人たちから受け入れられず村八分の扱いを受ける。奈穂は老人たちに怒り、亜矢子との交流を優先するが、徐々に彼女の双子の兄弟と母に違和感をもつ。亜矢子一家の秘密が明かされ、村の老人集団が正しい判断をしていたことを知るが、二人の関係は続いていきそうだ。2025/09/06

倉屋敷??

5
よそ者を嫌い閉鎖的で色々な因習が残る集落が舞台。 そこに東京からある一家が越してきて…。 ずっと何が起こるわけでもないのに不気味な雰囲気を漂わせながらいつの間にか引き込まれてた。 そしてこの結末は結構珍しい終わり方で新鮮でしたね!2024/03/15

みっち

4
川瀬さんの『よろずのことに気をつけよ』がめちゃくちゃすきなのだけど、同じ人にはぜひ読んでもらいたい。 田舎の因習✕ホラー✕ミステリがとてもいい塩梅。 主人公が好感度高く、読みやすい。2023/12/10

ぐちょぱ

2
排他的で閉鎖感漂う村や因習に縛られる老人達に不満を抱いている主人公は、自分の憧れである都会からやってきた同い歳の子と出会うのだが、それを境に事件が起きていき、、、 今まで見えていたものが終盤で一気にひっくり返る展開が気持ち良かった。 外へ行くことを望んでいた主人公が最終的には内に留まる選択をするしかなく、友人になれるかもしれないと思っていた人物とは歪な関係性になってしまうのが好み。2025/06/22

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