内容説明
恋人、家族、友人、敵……人間関係の内奥にひそむ感情の本質を、異端の精神科医が詩のことばへと昇華する。数多のサブカルチャーに霊感を与えつづける伝説の書、復刊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
アナーキー靴下
68
表紙のインパクトにやられてしまった。中身は詩というか、内面の殴り書きのような。彼と彼女の会話のパターンも多いが、一貫して一人の心の中を覗いている感じがする。言葉遊びに無限に付き合ってくれる他者なんて存在しないし、もしいるとしたら、それは相手を別の人間として尊重できていないのだと思う。でもこの感覚から私は未だに抜けきっていない証拠がタイトル、未だにこういうの言ってしまうな。この本は全体的に声と感じるけれど、私が内面の葛藤を声と認識するだけで、LINEやSNSに親しむ世代なら文字でイメージするだろうか。2023/11/16
100
53
精神科医がものした詩の数々、患者との対話・患者の告白の様な、患者との関係に作用された作者の心象の様な。詩の読み方は分からないし、一度では理解出来ないし、理解するには時間がかかる。無人島に一冊ってなったらこういう本なのか。魅力をミリキって訳す所、好き好き大好き。2024/01/29
踊る猫
35
言葉とは何のためにあるのだろう、と思う。意志を伝達するため? しかし、その意志というものはいつだって中途半端にしか伝わり得ない。伝わった意志だって、その人に内在する心理/認識の中でいかようにも歪みうる。つまり、完全なコミュニケーションなど幻想でしかない……ここまではいい。だが、ではどうして「にもかかわらず」ぼくたちは意志が疎通することをあきらめきれないのだろう。単純で幼稚な、だが深遠なこのアポリアをレインは実に稚気に富んだモノローグやダイアローグ、詩などで表現する。読みやすいが、なかなかナメてはならない本2023/12/02
Porco
20
先に読んだ『結ぼれ』は精神科医という経歴らしい、抽象的でも論理で組み立てられている本と感じたが、こちらは読んでもなんとも言えない。似通ったものとして挙げるのであればアウトサイダー・アートだろうか?むき出したそのままの感情と共に出されたであろう言葉。それを受けてレイン自身の内面から浮かびあがってきた数多の詩。素材の味を活かした料理や塩のみの味付けを“本物”と形容する時と同じ感覚か...だとしてもこれが似て非なるものであっても判別はできない。これは理解も共感もしてはならないものである気がする。2024/05/26
takka@ゲーム×読書×映画×音楽
18
確かXのタイムラインに流れてきて気になって読んだのだが、ゲーム『serial experiments lain』『NEEDY GIRL OVERDOSE』などの元ネタだとは知らなかった(この本の解説もにゃるらさんが担当)。まず何よりタイトルの『do you love me?』を『好き?好き?大好き?』に訳した人のセンスが光っている。このようなタイトルのとおり、中身は純粋で何が書いてあるのか全くわからないし、少し恐怖を感じる詩集。ただ、その「 」から「伝えるとは何か」が見えてくる。2024/04/12
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