内容説明
安土桃山時代に茶の湯という総合芸術を創出した千利休。秀吉に「内々の儀」を一任されるほどの厚い信頼を得たが、その秀吉によって最期は自死に追い込まれる。その裏には何があったのか? 牧村兵部、瀬田掃部、古田織部、細川忠興という利休七哲に数えられる高弟たちによって語られる利休と秀吉の相克。「茶聖利休」の実像に迫る連作短編集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
旅するランナー
182
茶の湯の力で人の心に巣食う猛りを抑え、世を静謐に導く。そのために秀吉を操る千利休による凄まじい権謀術策。武将弟子の牧村兵部、瀬田掃部、古田織部、細川忠興の視点を交えつつ、利休の実像に迫る刺激的な連作短編集。生死を賭けた静かな戦いが真に迫って描写されます。2024/11/23
晴
4
茶の湯で戦乱の世を静謐に導こうとしていった千利休という茶人を秀吉と、利休の武将弟子たちの目線で描いた連作短編集。「茶聖」とは違って利休が結構慈悲ない感じで描かれていたり底知れなさで恐れられていたり、一方で崇拝されていたりなど周囲から見た利休像が全然違うのが魅力的でした。特にひつみて候(古田織部視点)での「無こそ有を生み出すのだ」の一文が印象的。2025/11/14
coldsurgeon
4
人は豊かさよりも、安んじて暮らせることを求める。茶の湯の力で人の心に巣くう猛りを抑え、世を静謐に導くことを目論んだかもしれない千利休を、その高弟や秀吉との関係性で描く物語。利休の茶は政治と共に世に出、政治によって抹殺されたが、それも利休の思惑であったか。茶の湯、侘茶は理解しがたいく難しい。創意を具現化したものが作意であり、その作意が、どれだけ見る者の心を動かすかで茶人の価値が決まる世界は、私には程遠いところだと思った。創意なきところには作意はない、そして私には創意は乏しい。2024/01/17
やまたか
3
利休と秀吉の攻防(神経戦)を利休の弟子達の目線で描いた短編集。どれもヒリヒリした緊迫感がある。当時の茶の湯の位置付けが実に興味深かった。2025/10/01




