南光 - アジア文芸ライブラリー

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南光 - アジア文芸ライブラリー

  • 著者名:朱和之/中村加代子
  • 価格 ¥2,860(本体¥2,600)
  • 春秋社(2024/05発売)
  • ポイント 26pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784393455067

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内容説明

日本統治時代の台湾に生まれた写真家・トウ南光をモデルにした歴史小説。彼のライカは、モダン都市・東京、そして戦争から戦後で大きく変わりゆく台湾の近代を写し出す。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。

ケイトKATE

25
台湾で生まれ、日本留学中に写真に魅せられ、写真家として人生を全うした南光こと鄧騰煇の人生を描いた一冊。鄧騰煇が生きた時代は日本の植民地支配や太平洋戦争など、暗い出来事が続いた。著者朱和之は時代背景よりも、鄧騰煇の写真家人生に焦点を当て、そばで目撃したかのように書いている。『南光』は、芸術家小説として捉えたほうがいい作品である。惜しむべきは、私は写真の知識が乏しいため、もっと知識を得て読みたかったという気持ちがある。それと、鄧騰煇が愛用したライカのカメラで写真を撮りたいと思った。2025/04/18

tom

19
台湾の写真家南光を主人公にした写真と撮影とカメラの物語。背景には台湾の近代史をからめている。登場するカメラはライカ。戦前、ライカは家一軒買えると言われるほど高価だったらしい。そのライカを親にせがんで買ってもらい、写真を撮り続ける南光。女性を撮ることが上手だったが、多くはスナップ写真。一瞬の眼差しで被写体の表情をつかみ取り、フィルムに焼き付ける。体全体がカメラのような人だったらしい。穏やかな文章、それから写真とカメラに対するうんちく、読んでいて楽しい。台湾の歴史を知ることができたのもよかった。良書です。2024/08/21

練りようかん

16
写真家を通した台湾の近代史に興味を持った。日本留学中ライカとの出会いが彼の体感を変え、どんな場面も撮り逃がしたくないと未来を希む裡の輝きがとてもいいなと思った。その輝きの採集こそ彼の写真のオリジナリティであり、妻の目には平凡な女性の中に見つけられる輝きが自分には無いことに気づく。写真は時に酷だ。政府の刊行物に掲載された写真も彼は明を社会は暗を見る。偉大な写真家が長年活躍したことが中国にとって幸福、台湾にとっては厳しい表現を使っていたのが印象的。1つの事象も立場を変えれば、当たり前の事が胸に残った。2025/03/07

おだまん

12
写真が好きな人なら間違いなく刺さる一冊。台湾と日本の関係に触れた社会波小説であるとともに芸術小説。台湾の写真家の目と人生を通じ、写真は芸術だということを改めて認識させてくれる。それにしてもライカ一台家一軒、かー。2025/04/27

フランソワーズ

10
戦争と日本統治、中国統治と時代に翻弄された台湾。そんな激動のなかを生き抜きながらも、生涯カメラを手放すことなかった鄧南光の物語。そこには写真への、ひいては芸術への情熱が形を変えながらも持ち続けた人間の生涯が描かれている。専門的なことはわからないけど、南光のひたむきな愛に感動しました(また、ほかの写真家の視点で書かれた章もあって、一口に写真という芸術手法にもざまざまなものがあるのだなと感心させられました)。2024/06/22

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