ハヤカワ文庫SF<br> 言の葉の樹

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ハヤカワ文庫SF
言の葉の樹

  • 著者名:アーシュラKルグィン【著】/小尾芙佐【訳】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 早川書房(2023/12発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784150114039

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内容説明

古い象形文字で書かれた、詩や小説、歴史書、哲学書など、過去のあらゆる本が焚書にされる惑星アカ。科学技術の進んだ大宇宙連合―エクーメンと接触後、圧政がしかれているアカは、伝統的な文化を捨て去り、新たな道を進みはじめていた。そんな世界に観察員として、地球から派遣された若き女性サティが知った伝統文化“語り”とは……『闇の左手』と同じ“ハイニッシュ・ユニヴァース”を舞台に描いたローカス賞受賞作。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

イプシロン

32
(再読)初読時に大きな感動があったのだが、なぜ? どこが? と聞かれても答えられない、言語化できない感動だった。で、今回はそれを言語化する目的で読んだ。原題は「The Telling」――なんの為に語るのか? そいう問いが籠められた作品とえるだろう。今現在において向きあった者たちが、お互いを理解しあい、時に共感し同情しあい、ひいては同苦の感情を持ちあうためにあるのが「語り」である。過去数千年の間に残されたあらゆる物語も、すべてそのためのものである。しかし、人は愚かである。今を良く生きるために2021/04/27

波璃子

24
ハイニッシュ・ユニバースシリーズ。未来史だとどの時代にあたるんだろう。星間戦争前?新しい文化を受け入れるために今まであった文化を捨てることは日本ではすっかりお馴染みになっているので考えさせられた。ファンタジーとはこんなにアカデミックになるものなのかと驚かされる。作者が他の作品でも取り上げる「ことば」の重みや大切さが描かれているように感じた。2015/10/27

tom

20
人は地球を出て宇宙に散らばる。それぞれの星で独自の思考法=文化が生まれる。その星の一つアカに侵入者が来る。侵入者は、科学技術を提供するけれど、アカの文化を否定し、アカで書かれた物すべてを廃棄しようとする。これを拒む者は虐殺される。こんなアカに主人公は降り立ち、文化の在り様を調査する。一神教的思考と多神教的思考の対立、理解し得ない対象物と理解に至る方法などなど。これらがアカの文化の独特さと併せて語られる。ル・グィンの背景にある文化人類学的思考の面目躍如、そして少しロマンティックな物語。読んでいて楽しい。2021/11/20

鐵太郎

16
ル・グインの本は、はじめ違和感があってその世界に入りにくいところがあります。この本も同じ。しかし読み進むうちに、今回もサティといっしょにゆったりと惑星アカの人びとの間に入りこみ、この不思議な世界の苦悩と希望を堪能することが出来ます。自分の世界の過去の歴史を忌むべきものとして抹殺しようとした彼らの、奇妙で恐るべき秘密とはなにか。文化を殺すとはどんなことなのか。これは、どの時代、どの世界へのル・グインの警鐘なんだろう。〝The Telling〟という原題をこの邦題にした翻訳者の感性も素敵。2019/11/04

shiman

12
新しい権力と焚書、書を求めての冬(夏山)の旅。ル・グィンの説明のない世界に馴染むまでは混乱するのだけど、読み終わったときの永い旅をしたような余韻が好きだ。2016/08/11

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