内容説明
それは「現れるに値するもの」だ
「ブルーフィルム」と言われてピンとくる人はどれだけいるだろうか? 本書は気鋭の現象学者がまさに今失われつつある「違法のポルノ映画」の世界を読者の前に甦らせ、この社会で疑われることのないビジョンを動揺させる。過去のブルーフィルム研究も総括した、瞠目の哲学書!
*電子書籍版には一部収録していない資料写真がございます。あらかじめご了承ください。
【内容】
はじめに 禁じられた映画を見る山田五十鈴
序章 経験を通じて思考すること ――「土佐のクロサワ」と現象学
第1章 ブルーフィルムとは何かと問いながら
第2章 ブルーフィルムを見るとはどのようなことか
第3章 ブルーフィルムは何ゆえに美しいのか
第4章 ブルーフィルムを前にして何をすべきか
第5章 ブルーフィルムはどのような(不)自由をもたらすのか
第6章 ブルーフィルムとともに生きるとはどのようなことか
終章 現れるに値するもの
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takao
6
ふむ2024/04/25
Bevel
2
哲学というよりエッセイを読む面白さと感じた。許せるポルノグラフィに出会ってそれが青映画だったことから考え始める本という感じ。ボーヴォワールの方法というけど、存在感があったのはときおりはさまる現象学の短い本質的な小話と、マードック、カヴェルだった(概念はヴィジョンのためにあるとか)。健全な男性が(特殊な意味で)品のよいポルノを見て、そのよさと重要性を訥々と語るという感じで、のめりこめるかどうかは選びそうとか思った。2024/11/23
Ta283
1
テーマの選択が良い2024/06/11