内容説明
美しく、時に切ない。播磨国で暮らす「陰陽師」の物語
律秀と呂秀は、薬草園をあずかりながら庶民と暮らす、心優しい法師陰陽師の兄弟。ある出来事をきっかけに、彼らは一匹の鬼と出会う。
※この電子書籍は2021年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
sin
63
物語で馴染みのある陰陽師が活躍した時代から離れて戦国と呼ばれた時代との狭間に地方で求められた「法師陰陽師」と呼ばれた者のハナシ…物の怪が見える僧と薬師の才を持つ兄の二人の蘆屋道満末裔の陰陽師が怪異と対峙する…といっても自然と共存するかのように生きる二人にはなかなか典雅な印象が強くおどろおどろしさはない。陰陽師と云えばあの安倍晴明が思い浮かぶがその敵役のような形で描かれる蘆屋道満も有名な存在だ。その子孫たちと云うのならばこの先道満が封じた式神を通じてその当時の真実の物語に至るのかもしれず興味は尽きない。2024/03/05
藤月はな(灯れ松明の火)
51
時は室町時代。播磨にて妖が見える呂秀と、妖は見えないが医術と妖を祓う力を持つ律秀は縁あって主を求める鬼の式神、あかつ鬼と主従を結ぶ事になる。陰陽師ものですが、この兄弟の場合、妖に対して有無を言わせずに調伏を施すのではなく、対話を以て落としどころを見つけている。そんな二人に蘆屋道満と共にあれなかった事をたった一つの悔いとし、必要に応じて悪役になるあかつ鬼が主従を結びたいと思ったのは道理だったのだろう。「八島の亡霊」の野暮に反しての後世の評価の無念さが印象的。そして怖がりな有傳氏の受難は何時、終わるのか(笑)2024/01/14
優希
50
面白かったです。自然豊かな中での陰陽の世界。様々な怪異に迫る風景が美しいと思いました。2024/02/15
Y.yamabuki
20
室町時代の播磨国、法師陰陽師の兄弟が活躍する短編集。薬師の兄律秀と物の怪の姿が見える弟呂秀、お互いの得意分野で協力し合う姿が良い。この二人は人にも、人にあらざるものにも優しい。落ち着いて読める作品。2024/03/09
A Y
10
本屋で出会って衝動買いだが、思った通りの私好みの話で嬉しい。この世のものではないモノとの距離が近かった時代に居たかもしれないと思いをはせながら楽しく読めた。陰陽師がいた室町時代の物の怪と人の織り成す出来事。物の怪の見える弟と見えない兄など登場人物も良い。怖くなくむしろ温かさがあるが、式神の従順ではなく問題起こしそうな面妖な一面など良いアクセント。毎話何が起こるのか楽しみで飽きずずっと読んでいられる。続編の文庫化楽しみ。2024/03/27




