内容説明
人気の読売俳壇選者が自選した待望の第四句集。『静かな水』(芸術選奨受賞)以降の厳選された二五〇余句に,確かな視点と溢れるばかりの熱情が多面体の結晶として光り輝く。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャーリブ
35
『静かな水』に続く正木ゆう子さんの第四句集。連句で詠まれた句をアレンジした「恋の座」など連句を意識した構成となっているようです。「合いたくて地団駄を踏む夏の鴨」(会うでも逢うでもなく)「月いまは地球の真裏ふたつ蝶」「明日知らず雌鹿雄鹿として眠る」「名は忘れ香水赤き瓶とのみ」のようにドキッとする恋愛詠もあるのですが、そこに遊び心があるのは俳句ならではでしょう。全体として危なげのある句が少なくなったようで、個人的には鳥渡(ちょっと)残念。○2023/05/17
双海(ふたみ)
12
再読。今度は図書館ではなく買ったもので。句集は良いぞ。2024/02/08
双海(ふたみ)
11
俳句は世界とつながる装置。おおいなるもの、ちいさなもの、うごくもの、しずまるもの。太古を見すえ、未来に耳をすまし、今をとらえる。たしかな眼差しとあふれる熱情が結晶化された第四句集。「瞑れよ口噤めよと萩白し」「星月夜わが身も消ぬと思ふまで」「水神を女とおもふ春うれひ」「名は忘れ香水赤き瓶とのみ」「涼しさをいへば涼しく振り向かれ」2023/06/28
スミス市松
7
土地土地の美しい一瞬のなかに哀しさともいうべき情感の気配が混じりあうことで、どこか涼やかで澄みわたったイマージュが浮かび上がってくる句が多かったように思い、またそれらを好んだ。2023/08/05
atomos
5
好きな5句 ゼリー明るく羊羹暗く盆の家 遠き遠き兄の口笛麦の秋 皿持つて河童のきもち半夏生 面をもて接す二つのしやぼんだま 太陽のうんこのやうに春の島2019/08/10
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