内容説明
極上の「百人一首」案内
天智天皇から順徳院まで、歌人百人の秀歌を一首ずつ選び編まれ、カルタでもおなじみの歌集「百人一首」。恋に歓び、別れを嘆き、花鳥風月を愛で、人生の無常を憂う……三十一文字に込められた多彩な心と詩情を、詩人・作家の小池昌代が詩訳し、解き明かしていく。軽やかに深く和歌の楽しみへといざなう「百人一首」案内。
解題=渡部泰明
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Shun
26
学生の頃は全く興味を持てなかった短歌の世界でしたが、短い言葉に多くの情感が込められたと知ると興味を持てるようになった。しかしながら、その背景にある男女の機微や美しい光景に思いを馳せるには歌に使われている古語を理解しなくては始まらない。そんな時に本書と出会って、まさにこんな指南本が欲しかったと思いながら少しずつ百人一首の世界に足を踏み入れていった。さすがに何首かは聞き知っていましたが、その意味を知った時初めてその歌が彩り鮮やかなものに見えた。そしてリズムや語感にも工夫があるとは、知れば知るほど深いとわかる。2024/08/01
うさぎ
5
学校で習った記憶がないので、人生で初めて百人一首に触れました。綺麗な詩と、わかりやすい解説があるので、楽しく読むことができました。2025/01/06
Oka
2
目に留まったため購入。これまで知らなかった内容もあり、勉強になった。百人一首は改めて読むと文体も美しく、興味深い。また読み直してみたい。2024/02/10
k
2
一首ごとに、簡潔な文法や歌枕、詞書、作者などの説明とともに筆者の読み解いた世界が語られて、とても楽しく読めた。訳がどれもわかりやすいのに見事な詩でかっこいい。特に“白露に〜”“やすらはで〜”“嘆けとて〜”が気に入った。特別扱いを承知でと言って和泉式部の代表歌があげられていて、その訳も読んでみたかった。百人一首の撰者が定家というのが疑問視されているというのは驚いた。2024/01/30
ゆきんこ
1
百人一首、和歌を、詩の形にして訳すとこうなるのかぁ…と。三十一文字に込められた情景、情感が簡潔に、かつ、味わい深く描かれている。ふわっと目の前に、その様子が広がるよう。一首一首、凝らされた技巧や、詠まれた背景、下敷きになっている故事や、よみ人の来歴についても丁寧に解説してくれているので、なるほど、とより深くその和歌について知ることができる。2024/08/31