内容説明
「1秒遅れの時計は永遠に合わない。しかし、止まっている時計の針は必ず合う」。現代人はインターネットやSNSを駆使して「最新の情報」を追い求めるが、すべての情報はどんなに速くても「1秒遅れ」で届く。一方、止まった時計は一日に二度、正確に“今”を指し示す。未来を見通すには、現在を追いかけるより過去を振り返るほうが有効なこともある。週刊新潮の看板コラム『夏裘冬扇』待望の書籍化。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
trazom
116
週刊新潮に連載コラムのセレクション版。週刊誌の連載というと埋め草のような駄文が多い中で、流石に片山先生、歴史が予言しているかのような、成程というヒントが散りばめられている:なぜヒトラーはスイスを攻めなかったか。プーチンはネフスキー、習近平はパドゥというタタールの軛。ロシアにとってのウクライナはアメリカのカリブ海(キューバ危機)。地球祖国主義はトロツキー的。朝鮮半島をめぐる日本の外交史。大川周明の「インド人よ来たれ」など。コラムの最後の一文が、落語のオチのような本音で締め括られるのも魅力で、面白く読める。 2024/03/05
rokubrain
16
過去に未来がある。 人間の精神は進化しない(退化はしても?)ものだかから(モノは進化しても)。 歴史の風雨にさらされて、残っているものがホンモノだ。 片山さんは、歴史が立体的に見えているのでしょう。 今の出来事と歴史の習性から未来を予測する。日本と世界を見る視野を少し広げられた気がします。2025/07/21
ahwai55555
7
全体的に軽いタッチのコラム集だが、恐るべき教養の深さを感じる記述も多く、感心するばかりだ。本書コラム「少子化すると蛮族が来る!」で、フランスの歴史家ショーニューという人の、ローマ帝国滅亡の原因が人口減少にあったという説を初めて知ったが、文系国家の軟弱さの行きつくところを言い当てているようで、日本や西側諸国の未来を暗示しているようだ。このコラムだけでも十分読む価値があった。2024/06/18
hiyu
3
主張したいことは伝わってくるし、その背景となった事柄への知識も凄いと感じさせる。ただすべてではないのだが、オチの一言の中でちょっと相いれないなという部分も感じさせられた。2024/11/11
NyanNyanShinji
3
過去起きたことすなわち歴史を読み解き、それを現在に対比させながら、今はどういう状況か?未来はどうなるのかを考える。それが著者の片山氏の手法だ。元々当時の時事を話題を題材とした連載物の再編で皇室、政治家と国際状況などに分別されているので著者の主張がわかりやすい。その中でも『昭和の墓碑銘」と名付けられた一章は、志村けんや瀬戸内寂聴と多士済々で故人を悼みつつ彼ら彼女らの生きた時代を断面的に描いていてためになった。2024/10/05
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