内容説明
大陸の東域に位置する大国・陽夏国。芝居一座で育った龍意は、突然やって来た宮城からの使者より、自分が皇帝の双子の弟だと知らされる。将来帝室騒乱の原因になると占われ殺されそうになったところを、母親である皇后の実家が裏で手を回し一座に預けたのだという。そして双子の兄で見た目もうりふたつの皇帝の替え玉になってほしいと依頼された。皇帝は現在、宰相の奸計により、覚めない眠りについてしまっているというのだ。一座の借金を肩代わりしてもらうことを条件に依頼を受けた龍意は、宰相の陰謀を暴くため皇帝を演じることになった。一方、男子禁制の後宮には、女だけで構成された歌劇団「煌星歌劇」がある。籠の鳥である後宮の妃たちを慰撫するための劇団だ。男役として三番手の地位にある星羅は、花形の座に上り詰めることを目標に日々精進していたのだが、龍意と知り合ったことで運命の歯車は回り始め……?
目次
一 青天霹靂
二 花絢爛
三 偽帝盛宴
四 暗中飛躍
五 蠱毒孤星
六 胡蝶幻惑
七 落花非情
八 夜天花咲
あとがき
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
32
陽夏国の芝居一座で育った龍意が、突然やって来た宮城からの使者より、自分が皇帝の双子の弟だと知らされ、目が覚めない皇帝の替え玉を依頼される中華風ファンタジー。殺されそうになったところを、母親の皇后が裏で手を回し一座に預けたことを知らされ、一座の借金を肩代わりしてもらうことを条件に依頼を受けた龍意。彼が姉の死の謎を追う後宮の歌劇団「煌星歌劇」の星羅と出会い運命が動き出して、奸計を巡らせる宰相の娘・薛貴妃に軽挙が多く計画を破綻させていく様子には苦笑いでしたが、切ない結末を乗り越えた二人がなかなか良かったですね。2023/11/16
はなりん
14
男性主人公だったけど、違和感なく。孤児だと思って生きてきた芝居小屋の役者龍意。役人が迎えに来て皇帝の双子の弟だと判明し、呪いで眠り続ける兄の身代わりを演じる事に。兄を陥れた敵の証拠を掴むため奮闘。後宮に女性だけの劇団があり、男役の星羅と出会い、星羅の所属している組織と敵対勢力が関係あるようで、冤罪に巻き込まれていく。龍意のキャラが捻くれてなく、素直な感じで詠みやすかった。2024/02/03
栗山いなり
5
芝居一座で育った青年が自分が皇帝の双子の弟だと知らされ、とある事情から皇帝の替え玉を務めることになる中華ファンタジー小説。内容は後から振り返ってみれば正統派のライト文芸中華物だったけど皇帝身代わりの主人公のキャラが特徴といい味出してたかな2023/12/03
万論
4
双子と男装と後宮と欲張り。まあまあ纏まって面白かった。ちょっとテンポ感が似た本があって、頭の中でキャラが被った。2024/01/12
よっしー
3
突っ込みどころはそれなりにあるけど(顔の美醜で善悪が決まる?と受け取られかねないのとかはどうかと思う…)結構楽しめたし続きは気になる。兄皇帝の話とかも読んでみたい気もするしね。笠井あゆみさんの表紙は美麗だったけど、なんかいまいちお話と合ってないような感じがして勿体なかったな…。自分だけかもしれないけど。2024/05/11