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内容説明
皇位をめぐって嵯峨天皇と争乱を繰り広げた平城天皇。宮中で殺人事件を起こし廃位となった陽成天皇。神器を見ようとするなど、異常な振る舞いが多かった冷泉天皇。色好みで奇矯な行動が目立つ花山天皇――。こうした天皇たちの奇行と暴虐に彩られた説話、そして「狂気」に秘められた知られざる真実とは。平安王朝の皇統の謎と錯綜する政治状況を丁寧にひもとき、正史では語られてこなかった皇位継承の光と影を明らかにする。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
チャリー・コグコグ
19
天皇個人の資質よりも、外戚の存在が権力を左右する摂関政治の本質。皇統の交替という事実が影響。何故この様な説話が作られたのかという視点を忘れてはならない。歴史は勝ち残った者にとって都合よく作られる。この時代においては摂関家藤原道長が勝者。狂気の天皇だったから皇統を嗣ぐ事ができなかったのではなく、皇統を嗣ぐ事ができなかったから狂気の天皇とされた。精神的に不安定なところはあったかもしれないが断定には疑問。著者が令和6年大河ドラマ「光る君へ」の歴史考証担当だったことをあとがきで知る。興味深く読了。2024/02/05
さとまる
14
後世「暴虐」「狂気」などと評せられた天皇の姿を、改めて史料批判を行いながら明らかにしていく。取り扱われるのは平城、陽成、冷泉、花山の4天皇。共通するのは本来なら「嫡流」であったはずの彼らの血統が政治的な理由で途絶え、傍流が皇位を継いだ結果「本来嫡流であるはずの彼らの血統が途絶えたのは彼らの精神に問題があったからだ」という後付けの理由が創作されたこと。2025/05/26
kenitirokikuti
13
著者は御堂関白日記や権記の全現代語訳があるひと。2024年度のNHK大河ドラマ『光る君』にも関わっており、本書は花山天皇の記述を加筆して文庫化したもの(原著は2014年刊行)▲「おわりに」から。六国史と万葉集・竹取物語・伊勢物語のように、勝者が歴史を作り、敗者が文学を残してきたが、平安後期末期には勝者に連なるものが文学を成すようになった。それにも関わるが、本朝の「説話文芸」は口承ではなく、特定の原史料を持つ書承であった。古記録を元に筆写するのは貴族層であり、それらの意図により潤色される。2024/05/22
Melody_Nelson
7
「光る君」で、皇太子時代の花山天皇の振る舞いが特徴的に描かれていたが、実際のところどうだったの?と思い、本書を手に取る。花山の他に、平城、陽成、冷泉と、「精神的に異常」とされた天皇について、文献を元に探る。恣意的に書かれた「説話」や「物語」よりも、「小右記」に代表される貴族の日記の方が信憑性が高い。10代で即位し、2~3年後には退位させられ、その後の人生が長いのだが、彼らの心持はいかがだったのか。2024/12/11
遊未
6
勝者が歴史を作る、は中国を思ってしまうけど、日本も同じこと。歴代の中で平城、て陽成、冷泉、花山について。特に冷泉、花山については遺伝的な狂気とも語られてきました。しかし、これらの天皇は子どもで即位、権力者の都合で譲位。であるなら、後世に譲位を納得させるため悪い説話を作ったという内容です。但し花山については出家後の修行や聖人説話も多くあります。長生きだったからでしょうか?2024/08/03
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