角川ソフィア文庫<br> 敗者たちの平安王朝 皇位継承の闇

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角川ソフィア文庫
敗者たちの平安王朝 皇位継承の闇

  • 著者名:倉本一宏【著】
  • 価格 ¥1,232(本体¥1,120)
  • KADOKAWA(2023/11発売)
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  • ISBN:9784044007911

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内容説明

皇位をめぐって嵯峨天皇と争乱を繰り広げた平城天皇。宮中で殺人事件を起こし廃位となった陽成天皇。神器を見ようとするなど、異常な振る舞いが多かった冷泉天皇。色好みで奇矯な行動が目立つ花山天皇――。こうした天皇たちの奇行と暴虐に彩られた説話、そして「狂気」に秘められた知られざる真実とは。平安王朝の皇統の謎と錯綜する政治状況を丁寧にひもとき、正史では語られてこなかった皇位継承の光と影を明らかにする。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

チャリー・コグコグ

19
天皇個人の資質よりも、外戚の存在が権力を左右する摂関政治の本質。皇統の交替という事実が影響。何故この様な説話が作られたのかという視点を忘れてはならない。歴史は勝ち残った者にとって都合よく作られる。この時代においては摂関家藤原道長が勝者。狂気の天皇だったから皇統を嗣ぐ事ができなかったのではなく、皇統を嗣ぐ事ができなかったから狂気の天皇とされた。精神的に不安定なところはあったかもしれないが断定には疑問。著者が令和6年大河ドラマ「光る君へ」の歴史考証担当だったことをあとがきで知る。興味深く読了。2024/02/05

kenitirokikuti

13
著者は御堂関白日記や権記の全現代語訳があるひと。2024年度のNHK大河ドラマ『光る君』にも関わっており、本書は花山天皇の記述を加筆して文庫化したもの(原著は2014年刊行)▲「おわりに」から。六国史と万葉集・竹取物語・伊勢物語のように、勝者が歴史を作り、敗者が文学を残してきたが、平安後期末期には勝者に連なるものが文学を成すようになった。それにも関わるが、本朝の「説話文芸」は口承ではなく、特定の原史料を持つ書承であった。古記録を元に筆写するのは貴族層であり、それらの意図により潤色される。2024/05/22

ワタシ空想生命体

5
"軽々に冷泉と花山との「遺伝的狂気」を云々するのは、それこそ後一条天皇の即位の正統性と道長家の栄華の正当性を主張する『大鏡』的歴史観の陥穽に落ち込んでしまっていると言わねばならないであろう。"2024/05/29

いちじく

5
以前に角川選書から刊行された『平安朝皇位継承の闇』の文庫版。花山天皇の修行譚という章が加筆されているもののほぼ同じ内容です。タイトルが微妙に違うので、別の本かと思って買ってしまったけど、以前の本を持っている方は買わなくても良いかと… 大河に便乗して絶版本が再版されたり、色々な関連本が出版されるのは本当にありがたいけど、こういうのはあんまり嬉しくないかな。でも手に取る人が増えて、狂気のレッテルを貼られた過去の天皇たちの評価が見直されるきっかけになればいいと思う。2024/03/10

nonbiri nonta

3
藤原氏の権力争いに巻き込まれ廃位、その原因を狂気とされた天皇たち。 花山天皇の三十三ヶ所巡礼も虚構?2024/02/16

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