中公新書<br> 物語 江南の歴史 もうひとつの中国史

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中公新書
物語 江南の歴史 もうひとつの中国史

  • 著者名:岡本隆司【著】
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 中央公論新社(2023/11発売)
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  • ポイント 300pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784121027801

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内容説明

「中国」は古来、大陸に君臨した北方「中原」と経済文化を担った南方「江南」が分立、対峙してきた。湿潤温暖な長江流域で稲作が広がり、楚・呉・越の争覇から、蜀の開発、六朝の繁華、唐・宋の発展、明の興亡、革命の有為転変へと、江南は多彩な中国史を形成する。北から蔑まれた辺境は、いかにして東ユーラシア全域に冠絶した経済文化圏を築いたのか。中国五千年の歴史を江南の視座から描きなおす。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

skunk_c

70
政治の中原に対し経済の江南というざっくりした見方で考えることが多かったが、その江南も範囲のとり方にもよるけど面積・人口とも日本の5倍以上はある。雑誌連載もされたようで地域ごとの章立てのため重複もあるが、その江南の多様性を歴史的に俯瞰した内容と言える。長江という中国最大の大河が流れる割に、下流の平野があまり発達していないという地理的な特色をよく押え、湿潤だが狭隘な平地を開墾しつつ稲、茶、綿などを作る農耕主体の社会に、どのような政治的な動きがあったかという視点で読むと、著者の博覧強記さが生きるかもしれない。2024/01/04

サアベドラ

39
中原に対置される江南(淮河以南、現代中国の華中・華南に当たる地域)の歴史を地域別に略述した新書。2023年刊。著者は『中国の論理』を書いた人。古くは楚や呉越の地として、南北朝時代に漢民族が移住し開発が進んだ後は農業・経済の先進地域として、近代はウェスタン・インパクトの最前線および太平天国の発祥地として、それぞれの時代・地域で多様な側面を持つ。取り扱う範囲がとても広いためどうしても点描的になってしまっている(雑誌連載をまとめたものなのでなおさら)のが残念だが、手堅くまとめられているとも言える。2024/03/02

よっち

30
古来、大陸に君臨した北方「中原」と経済文化を担った南方「江南」が対峙してきた中国。北から蔑まれた辺境は、いかにして東ユーラシア全域に冠絶した経済文化圏を築いたのか江南視点で描きなおした一冊。湿潤温暖な長江流域で稲作が広がり、楚・呉・越の争覇から、蜀の開発、六朝の繁華、唐・宋の発展、明の興亡、革命の有為転変へと多彩な中国史を形成して、下支えする存在となっていた江南。内容は荊州や蜀の地も含めていて、漠然とイメージよりもやや広範な地域を扱っていましたが、その位置づけについてなかなか興味深い一冊になっていました。2023/12/25

kk

26
図書館本。「中国史とは、北方中原に発祥した文明が南進した歴史」であり、「かつまたその「南」が独自に発展してきた歴史でもあった」との着意の下、江南の長い歩みについて、著者独特ののご見識を交えつつ丁寧に解説。江南デルタ、四川盆地、閩越、そして湖広の各地域を概観し、それぞれの発展の足取りと、中国全体のシステムとの関係成熟の経過などを解説。中国の多元性に正面から挑もうとする野心的かつ真摯な試み。この先生いつもながらの平易・親切な語り口。今年読んだ新書中、最も印象的だったものの一つに数えるべきか。2023/12/30

ピオリーヌ

20
雑誌連載をまとめただけあって、軽妙な語り口に感じる。四川地域、江浙四省地域、広東・福建地域、湖北・湖南地域と地域単位の章、唐・宋、宋・明・清と時代単位の章がある。所謂「西洋の衝撃」の時期、その門戸・最前線にいたのが広州とその周辺である。広東人は身をもって西洋貿易・阿片戦争を経験した。学理・思想の近代化・西洋化は、まず西洋の学術を諸子百家に附会、こじつけて理解することですすんだ。恒久的な原理・本体として中華・儒教を維持し、間に合わせの実務・用途に西洋の学問を使う、と位置づけるのが通念だった。「中体西洋」と2024/02/08

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