内容説明
シングルマザーで再出発!? 出世競争でヘトヘト! 『源氏物語』を生んだ紫式部と政治の頂を極めた道長が自ら語る丸わかり平安ライフ
36歳で出仕デビュー、しかしすぐ出社拒否、家族の悲劇(母・姉・夫の死、父の不遇)に次々見舞われた“遅咲きの式部”はどんな人生を歩んだのか? 権力をほしいままにした人物で知られる道長の、知られざる人間ドラマや素顔とは?
式部と道長が“自ら”人生を語り、平安時代や『源氏物語』ワールドを生々しく追体験できる一冊。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
初美マリン
85
源氏物語の時代背景のガイドブックのようです。わかりやすく途中に説明が入り見事でした。2024/08/08
たま
68
読み友さんのご感想で知って読んだら面白かった!転生した紫式部ママと行成バーテンダーのBARゆかりに、道長らがお客で現れ来し方を物語る。著者の奥山さんは平安文学を専攻して博士号もお持ちとか。考証はしっかり、永井路子さんの『この世をば』と事実関係が近いが、当事者本人が事情を語るので分かりやすい。道長はバーでくつろぐ気の良い中小企業(世襲)社長の風情。バーのママ式部との距離感が絶妙。奥山さんのご本、面白かったので『フェミニスト紫式部の生活と意見』も読んでみよう。肝心の『源氏物語』はなかなか進まないけど。。。2024/05/25
ケイト
65
本物の平安貴族達からリアルな話が聞ける『平安BAR ゆかり』式部ママとバーテンダー行成が美味しいお酒とおつまみでお・も・な・し してくれる。「蔭位の制」「干支と庚申待ち」など行成の解説が興味深い。自分の娘を入内させその頂点に立つ道長にとって、休む暇もなく天皇への嫌がらせもしないといけないので、身体の具合いも悪くなる。行成って天皇にも道長にも頼りにされていたなんて、優秀な人だったのね。貴族は長閑に和歌を詠んでいたように思っていたけど、国難も色々あったようで。ざっくりこの時代が分かって面白かった。2024/06/02
pohcho
55
本物の平安貴族からリアルな話が聞けるという噂のお店。式部ママとバーテンダーの行成がいるBARゆかりに、道長や詮子、清少納言に花山天皇などが夜な夜な現れ昔語りをする。表紙イラストからして笑えるが、語られる内容は大鏡や栄花物語などに基づいていてすごくちゃんとしてた。「光る君へ」を毎週楽しみに見ているので、ドラマの予習復習としてとてもよかった。特に定子をめぐる話が悲劇的でドラマチック。つらいけど、この先のドラマも盛り上がりそうな予感。ちなみに、清少納言はクラブ香炉峰のママだそうで、どちらのお店も通ってみたい。2024/04/30
天の川
52
BARのママ式部、バーテンダー藤原行成、藤原道長をはじめとする酔い客達が、現代の女性客に語る昔話という設定。それぞれの人物がそれぞれの立場で千年も経った今だからこそ語る本音は興味深く。『小右記』や『御堂関白記』などの出典がその都度に明記されて内容は確かな上、絶妙のタイミングで必要部分の系図が提示されているのでわかりやすかった。道隆や伊周もお客で来てほしかった…。上級貴族は朝廷内権力闘争に知略の限りをつくしていて、国司任命が中級貴族の経済困窮を救う手立てのようで、政治とは何だ?と思ってしまう平安時代(^^;2024/05/07