ハヤカワepi文庫<br> すべての見えない光

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ハヤカワepi文庫
すべての見えない光

  • ISBN:9784151201127

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内容説明

目の見えない少女と、ナチスドイツの若い兵士。二人の運命がフランスの海辺の町で交差する。ピュリッツァー賞受賞の傑作を文庫化

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

しげ

55
訳あって自宅時間となり、期せずして積読書を読み進めるタイミングになりました。既にネットドラマは視聴していたので原作との比較の様な読書となりました。戦争を題材にしたとは思えないほどの叙情的な原作、ドラマ(映像)も良かったのですが主人公のキャスティング(年齢)が微妙に感じてしまい少し残念、とは言え所詮自分のイメージなので読書ならではの良さを再認識しました。2025/02/20

特盛

29
評価4/5。2015年ピューリッツァー賞。納得。本作は10年かけて書かれた力作だ。時代はWW2。ナチ占領下に住む目の見えない少女とドイツの少年兵の偶然の出会いと別れ。二人を結ぶ糸はラジオだ。科学と物語と戦争が導く、素敵だが悲しい運命。可視光は電磁波全体から見たらほんの極小領域だ。数学的には我々は殆ど見えてない。そして、歴史には無数の人々が生きて消えていく。我々には見えず、本作で描かれたドイツの少年も「ナチ」としか語られなくなる。現在にも不平等は多い。だがそれは忘れ去られた時代と今の間にもとても大きい。2024/09/09

kieth文

22
激動のノルマンディ上陸作戦の前後(ドイツの隆盛から没落まで)を翻弄されながらも強く生き抜く少女と少年の物語だ。かたや侵略された盲目のフランス人の少女、もう一方の少年は孤児だけれど数学的才能を持つドイツ人で無線機の傍受をする。 今まで戦争を題材する物語は避けていた。敢えて辛い題材を知りたくないという思い、、、でもやはりそれを観て考える事は無益ではないと知った。戦争を知らない世代になっているからこそ、目を背けてはいけない気がする。 2024/06/07

原玉幸子

19
登場人物を巡る人間の残酷さや傲慢さに狂気を重ねる作者の描写によって、戦争というものに通底している悲しみの大きさを、厭々感じ乍ら読み進めることになりました。そして、全てが終わった後の時代を経ての邂逅は淡々と語られていますが、淡々とした描写故に関わる人其々の背負って来た人生が感じられる実に重いものでした。戦争を引き起こしたドイツ人の責任だけを問うものではなく、(私が好む「人は其々事情を抱えて生きている」ではなくて)人は何かに巻き込まれてしまう時もあることへの深いメッセージだったと思います。(◎2024年・冬)2024/12/15

コニコ@共楽

16
読書会の為に再読。0章から始まる断章は、奇数が過去で偶数が1944年8月現在を追いかける形で進んでいきます。フランス人のマリーと、ドイツ人のヴェルナーの子ども時代は丁寧に詩的に描かれ、500ページを過ぎたところで二人は出会います。出会いは送信機という見えない電波。それは光となってヴェルナーは気づくのです。その時、マリーの声が届くというシーンに胸が熱くなりました。そして、マリーは、そばにいる大人たちの絶え間ない励ましとやさしさに支えられ、強く生き、ヴェルナーもマリーを恋していました。やっぱり好きな作品です。2024/06/15

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