内容説明
高校教員の美穂は30歳。仕事に追われ疲労困憊の日々、恋人ともうまくいっていない。そんなある日、高校時代ともに「俳句甲子園」に出場した友人・空と、SNSで再会する。美穂は俳句に親しんだ日々を懐かしみ、いつか行ってみたいと思っていた「おくのほそ道」をめぐる旅に空を誘う。週末ごとに松尾芭蕉たちが辿った地をふたりで旅しながら、日常を離れ心を休める美穂。同行してくれた空は、この旅路で「会いたい人」がいるようで――。古人の足跡を辿りながら「今」を生き直す女性たちの感動の物語。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
しんごろ
152
SNSで再会した高校の同級生で、俳句甲子園出場仲間の美穂と空の二人が、奥の細道の名所を巡る旅に出る話。人にはいろいろ事情があるもので、美穂も空も悩みや重い事情を抱えてる。その悩みの種である美穂の彼氏の類は、同性から見てもダメ男だろうと思うほど腹立たしい。それはさておき、親友ができるということは年齢は問わないのだと、この二人の旅を通して思った。歳を重ねても、親友としての友情を育むこともできるのだと。そして、ありきたりであるが、遠い地に旅したり、美味しい物を食べたいと思う物語だった。2024/01/11
Y.yamabuki
17
気楽な女二人旅かと思ったら思いの外シリアスな話。疎遠だった高校時代の仲間同士SNSで繋がり、お互いその後の状況を知らないまま週末に奥の細道を辿る旅を始める。読者は旅の話の前後の章で、美穂の高校教師としての悩みや同居人の彼氏との問題を知る。しかし空については、美穂と同様に何もわからない。何かを抱えているがそれが何なのか?学校を離れた後何が有ったのか?と先が気になる展開。話を聞いて貰うことで心が軽くなり、前向きになった二人。○○を辿る旅、一気じゃなくて良いんだ新幹線も飛行機も有り。これならできるかも。2024/04/22
陽ちゃん
9
公立高校の国語教師の美穂は、仕事や同棲している類との関係に悩む30歳。ひょんなことから高校時代の友人空とSNSで再会し、二人で週末に「おくのほそ道」を巡る旅に出ることに。旅を続けるなかで美穂も空も自分自身を見直し、新たな一歩を踏み出そうと決心していく…。各地で美穂たちが立ち寄るお店が実在するようで、行って食べて見たくなりました。2024/01/07
ふみえ
8
松尾芭蕉の句の解説やエピソードが入門としてありがたい。登場人物たちのあれこれは付属的だけど、こんな旅してみたい。でもお金が続かない。2024/01/18
ヨシキ
4
すごい仕掛けのある話とかそうではなく、想定の範囲内の話ではあったが、こんな旅をしてみたいと思う。同じ国語教師として思うところもあった本でした。2024/01/28