内容説明
認知症を患う父が失踪した――。父の浮気が原因でバラバラになった家族は、父の失踪により再びひとつ部屋の下に集う。「愛人のところに自分の意志で行った」と主張し行動を起こさない兄。「私が目を離したせいだ」と自分を責め、家族の問題を背負い込もうとする姉。まるで他人事の僕。どこにでもいる「仲の良くない普通の家族」は父の失踪を機に家族のカタチを見つめ直す。Netflixオリジナルドラマ『全裸監督』の脚本を務めた新進クリエイターが「家族とは!?」に“巨石”を投じる小説デビュー作。
※本作品は2020年10月に小社より刊行された『されど家族、あらがえど家族、だから家族は』を文庫化に際し改題したものです。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
すぅさん
7
不器用な家族のそれぞれの目線からの、短編集の様なお話。それぞれが短いので、改めて個々のエピソードも読みたいな。と思った。家族って難しいよね。家族間の役割と個人とのバランスが合っていれば問題ないのだろうけど。そういうのを気にせず、「考えすぎだよー」なんて軽く言って安心して暮らせるという事は幸せな事なのですよ。2024/03/08
りょう
5
少し認知症気味の父親が行方不明になった。彼には浮気をした後、3兄弟の母親と離婚した過去があり、3兄弟はすでに成人しているが。この父親との関係、兄弟の関係を各立場から描こうとしてますが。あたしは、家族、家族って言われても合わないひともいるだろうし、自活できたら、なにも一緒に居なきゃならないってことはないだろうと思う方なので、この家族の押しつけはちょっと好みじゃないです。重たいわ。2024/02/08
大福
2
245冊目、読了。 他人なんだけど、中途半端に分かりあえて、嫌なところが目についてしまう存在。 家族って本当にめんどくさいんだけど、なんだか温かみもあるんだよね。 バラバラに見えるけど、こっそりとお互いがバレないように ちゃんと繋がっている小説でした。2023/11/23
フリージア
0
初読みの作家さん。認知症の父親が行方不明になった。若い女性と恋愛関係になり母が出て行って長男、長女、次男と四人で過ごした父。大人になり、それぞれが自分本位な兄弟たちが実家に集まり、これといった対策も講じず過ごす。それぞれを疎みながらも父の死により家族のつながりを感じる。 嫌な登場人物が多かったけど読後感は悪くなかった。2024/02/28