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内容説明
「今どきの若者は○○だね」と自らの印象で語られがちだが、研究者やノンフィクション作家たちは若者をどう捉えているのか。「承認欲求はあるが人前では褒められたくない」「『ゆるい職場』だと自分は成長できるのかと不安になる」「『SDGsに配慮したモノだと、堂々と胸を張れる』など『意味のある消費』を望む」……。Z世代の思考を知り、日本の今と将来を考える。 ●10代から20代は人前で褒められたくない世代 ●「推し」が出るならテレビを観る ●韓国人男性に惹かれる日本人女性 ●「若者の本離れ」というウソ ――近年の小中学生は1955年以降で最も平均読書冊数が多い ●困窮して身体を売る人たち ●誤解されるヤングケアラー ●「地方のいなか」の若者がもつ希望
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
tamami
71
「今どきの若者」とは二世代分くらい隔たってしまった。彼らの実態に少しでも近づこうと手にした本書であったが、予想以上の距離感を感じる結果になってしまった。本書の見取り図は、編者がまえがきでコンパクトに整理していて参考になる。今の若者が置かれている経済状況は、一昔前と比べても激変していること。情報環境が変化に伴い、教育や仕事分野が大きく変わろうとしていること。SNSでのコミュニケーションが常態化した結果、日本語自体までも変化している等々、時代の流れの速さや世代間の理解の難しさを改めて感じる事になってしまった。2024/02/06
ネギっ子gen
58
【現在の若者の生活状況は多様である】マッチングアプリの功罪、複雑な承認欲求、変容する消費行動など、Z世代の現状とその背景や行動原理について、研究者やノンフィクション作家らが論考した書。編著者は「まえがき」で、<「若者論」に注目する意味があるのは、まず、若者はこれから社会に出て行く、出ようとしている存在だからである。現在の10代、20代の若者は、否応なしに歳を取り、2050年には日本の社会の中核になる。今の若者が、40代、50代になったとき、日本社会はどのようになっているのか、気になるところである>と。⇒2024/03/12
よっち
33
印象論で語られがちな若者をどう捉えているのか。研究者やノンフィクション作家などが書いた一冊。Z世代のイミ(意味)消費、世代間対立、マッチングアプリと恋愛コスパ主義、みなまで言うなは通じない、認められたいけど目立ちたくはない、無敵の人を生まないために、政府公表自殺者数減少は真実か、差別と偏見に苦しむヤングケアラー、「若者の本離れ」というウソなど、16のテーマで論じられていて、どうしても項目が多くてざっくりとしたトピックといった印象でしたが、イベントの有無で日常が把握されるという指摘にはなるほどと思いました。2023/12/07
ピンガペンギン
26
雑誌の連載記事をまとめた本。それぞれの記述は10P位と短いが、多角的に若者世代の意識や状況を概観できる本だと思う。高齢者が得する施策は若者が損するという厳しい事実から目をそむけることはできない。自殺率についての章では、原因不明の中高年の死が自殺者数と同程度にまで増えてきているという、腑に落ちない事実が気になった。またSNSを使うことで若者がイベント志向になっているというのが気になった。若い人に教授が「最近、どう」と尋ねても、「特別なことはない」という様な反応が多いという。雑談ではどうでも良い様な話もして→2023/12/21
まゆまゆ
18
若者の行動や思考を考察する若者論を消費や時代背景、文化カルチャーを含めて論者が紹介していく内容。今の20代はZ世代と呼ばれているが、その前のゆとり世代や草食系世代ともずいぶん行動様式が変わっている。韓国のジェンダーバイアスの実態が面白かった。2024/01/22